2006年 マラウィの労働事情

2006年7月5日 講演録

マラウィ労働組合会議(MTUC)
Mr. プリンス・ムドロ

 

 マラウィでは、政治と経済は労働に大きな影響をもたらしている。政治状況は大変不安定である。2005年は無党派の大統領が大統領職を占めており、与党のない政治であった。現在の大統領は選挙で選ばれたが、大統領は所属していた党から脱退した。また国内からも党所属の大臣が辞任したため、与党でなくなった。このような状況の中で、政府内の緊張が高まった。副大統領のみが元の与党に留まり、大統領、副大統領が別々の党から属している事態となった。大統領は副大統領を罷免しようとしたが、憲法が許さないので失敗に終わった。
 2004年から2006年にかけて、お互いに非難しあうという政治状況があり、経済は発展しなかった。経済の基本構造は変わらず、様々な改革や経済構造調整計画が適用されたにもかかわらず何の変化もおきていない。
 国民一人当たりの年間所得は約220ドルであり、マラウィは世界の最貧国となっている。農業従事者の割合は労働人口の85%以上であり、農業はGDPの35%を占めている。主食作物はトウモロコシで小規模農業者が作っている。タバコは今でも輸出による外貨収入の70%を稼ぐ1番大きな資源となっている。年間の実質経済成長率は年により大きく上下している。理由は経済が天候に大きく左右されるからであり、また政府の統制の及ばない外部の様々な要因にも左右されている。2005年の年間成長率は約6%と見込まれていたが、実際には3%であった。
 マラウィにとって1番大きな目標は、貧困の中に暮らしている人たちの数を減らし、貧困を究極的になくすことである。しかし、経済社会状況から今のところ不可能である。
 労働状況であるが、1999年から現在まで2つのナショナルセンターがある。私の所属しているマラウィ労働組合会議(MTUC)と労働組合連盟(COMATU)である。MTUCには17の加盟組合があり、COMATUは5つの加盟組合がある。このことはMTUCがより多くの労働者を代表している組織といえる。マラウィの労働組合運動は、社会・政治・経済のグローバル化等々の様々な要因によるいくつかの課題を抱えている。第一は民営化により多くの会社が閉鎖され、多くの従業員が失業している。民営化された会社は人員削減が実施されている。第二は組合の組織化が難しい問題となっている。
 理由はほとんどの多国籍企業は政府との間で、組織化に関する協定を結んでいる。例としては輸出加工区の多国籍企業がNOユニオンの協定を政府と結んでいる。
 第三としては、国の資源をいかに確保し活用するかである。この資源問題は開発途上国の労働組合が直面している大きな問題のひとつである。いかにして組合員のニーズに対応するため資源を確保し、それを活用して組合の当面する課題を解決するかが大きな問題となっている。現在MTUCの組織人員は8万4千人であり全労働人口は全人口1200万のうち400万人となっており、組合員になる可能性のある労働者は120万人いる。事業活動についてはまず組織化活動がある。この活動はノルウェーLO,オランダHIVOSの支援を受けている。HIVエイズに関する活動プログラムは全国エイズ委員会の支援を受けている。男女平等政策制度プログラムについては、HIVOSの支援のもとに活動しており、最終的にはこの活動の30%を女性代表でしめるという条件に合致するようプログラムを実施している。
 PANAFのプログラムとして、職場における組合の役割や組合とは何かについての研究会をスウェーデンのナショナルセンターLO、TCOの支援を受けて実施している。