2006年 ケニアの労働事情

2006年7月5日 講演録

ケニア労働組合中央組織(COTU-K)
Ms. ジョイス・ケムント・ザブロン

 

 ケニア労働組合中央組織(COTU-K)は、34の労働組合が加盟し、組織人員は50万人である。また、アフリカ地域組織のアフリカ労働組合統一機構(OATU)、東アフリカ労働組合連盟(TUFEA)(スーダン・カツムール)、東アフリカ労働組合連合(EATUC)(タンザニア・アルニア)やグローバルユニオンのICFTU-AFRO、国際運輸労連(ITF)に加盟している。事務局長は選挙により選ばれ、現在は、TUFEAの会長、OATUの財務副担当、ILO総会では労働側副議長も務めている。
政治的活動として、政府の全国社会保障基金(NSSF)、産業研修理事会(DIT)、全国エイズ管理協議会(NALL)、反汚職対策委員会、労働法見直し委員会等、さまざまな委員会のメンバーとして参画している。
経済問題については、経済企画財務委員会のメンバーである。なお、政府関係の委員会は三者構成である。
労働組合の状況は、団結権と団体交渉権に関するILO87号条約と98号条約によって、結社の自由が認められている。労働組合は、内政に関して独立運営している。ただし、労使紛争が労働裁判所に持ち込まれたケースにおいては、三者構成の機関に頼らなければならない場合もある。
政府と労働組合間に友好的な関係があり、COTU-Kは、指導部が強力なため比較的強い団体となっている。ナショナルセンターとその加盟組合は、労働者の権利の為に不断の闘いをしている。
組織活動としては、教育部が先導して活動を行っている。女性部門では、HIV/AIDSに関するものや男女平等に関するもの、経営者団体・交渉担当者に対して、ジェンダーに関するワークショップを開催している。団体交渉に女性も参加し、女性のための団体交渉に関するワークショップも行っている。
HIV/AIDS担当部門として、世界エイズデーにおいて、全国の組合指導者に対して、エイズに関する意識向上セミナーの開催し、また、職場委員と一般組合員に対し、エイズの予防と啓発のためのワークショップを開催した。
教育を担当する人材を育成するためのトレーニングセミナーの開催も行っている。児童労働問題については、児童労働に対する意識向上活動、児童労働の多い職場での調査活動、例えばお茶栽培の農園、コーヒープランテーション等での調査を行っている。
教育部門として、国内、地域間、国際的な研修に参加している。
労働運動が直面している問題としては、組織人員の減少がある。理由として非正規契約及び雇用契約の増加や、構造調整改革が進み、その結果、整理解雇がおこっているからである。また、民営化や国際金融機関からの要求で問題をおこしている。経済のグローバル化がもたらす影響は大である。