2000年 ケニアの労働事情

2000年8月2日 講演録

ケネス・シコナ・マリエツォ
ケニア労働組合中央組織教育研修担当

 

国内状況

 ケニアはご存知のようにアフリカ東部に位置し、ガーナとかタンザニアの近くにあります。ケニアの人口は、約2,800 万人です。そして、ケニアでの人口の中で約50 %、半分がいわゆる若い世代で占められ、現在働いている世代、労働者の世代がこれらの若い若年層を支えている、もしくは支える責任があるということも言えるかと思います。基本的に、ケニアは農業を基軸とした経済国であります。ケニアが誇る有名な農産物としては、コーヒー、紅茶、園芸関係のものです。郊外、地方に住んでいる人が大半ではありますが、都市部での人口も増えてきています。また、ケニアの経済成長率が過去10 年間下降しており、GDP が1965 年-1999 年の間に6.4 %から1.6%に落ち込みました。もちろん財政それから金融に関してのさまざまな政策がとられてはいますが、1999 年度のインフレ率が4.5 %と推測され、2000 年半ばまでにはインフレ率が6.2 %にまで上がるということも言われております。
労働力に関してですが、現在入手できる資料によれば、ケニアにおける2,800 万人の人口のうち、1999 年までにはその労働力として1,600 万人がいるということになっております。ただし、その1,600 万人の労働者のうち、約500 万人近くはいわゆるモダンセクター、いわゆる近代的な産業もしくはセクターに従事していると言われております。ほかに、かなり大きな数として失業者、不完全雇用者、もしくはインフォーマル・セクター、ケニアではジュアカリセクターと呼んでいますが、そこに従事している人たちも多い状況になっています。フォーマルセクターのうちの約180 万人がいわゆる組織化されているといわれております。パブリックセクターですが、パブリックセクターは完全に100 %組織化されており、これはいわゆる地方自治体によっての組織化であり、ケニア地方公務員組合に所属しています。

COTUK について

 COTUK について簡単な歴史をご説明申し上げます。COTUK が設立されたのが1965 年です。ケニアが独立を勝ち得たのが1963 年ですから、独立して2 年後に設立されたことになります。COTUK より前にKFL (KenyaFederationofLabor )という団体があり、これがケニアにおいて、ケニアの独立のために闘った中心的な団体でした。ただ、このKFL とCOTUK の違いですが、KFL の場合ですと、必要としている労働組合が1 つの傘のもとにいわゆる大まかな形で組織されていたということに比べまして、今現在ありますこのCOTUK の組織構造の中では、すべての労働組合が産業別に分けられ、産業別に組織化され、そして独立性というものを尊重されながら活動しているというところが1 つ大きな違いであります。また、その産別組織は、登録されているのが35 組織あります。すべてのものがCOTUK のメンバーでありますが、例外としましてはKUVETUAO 、それから非常に巨大な組織でありますけれどもケニア全国教員組合(KNUT )と呼ばれているところです。ケニアでの労働組合の組み合わせは、他国においての組合の組織と非常に似通っていると思います。すなわち、組合として、職業別の組合もしくは一般的な組合、そして産業別の組合があるということであります。いわゆるクラフトユニオンと呼ばれている職業別の組合で大きいのがKNUT (教職員組合、そして最も小さい)組合としましては飛行機のエアラインパイロットとジャーナリスト・記者の組合であります。また、すべての労働組合の根底にあるのが、いわゆる支部、草の根レベルであり、すなわち支部によって支えられているということであります。もちろん支部の規模は、それぞれ組合によっては違いますが、おおよそ組合はその支部レベルで3 つの層に分かれております。すなわち支部の事務局、支部の執行委員会、そして組合員による総大会もしくは集会ということです。大体、この組合員が参加するジェネラルミーティング(大会)が、その支部にとっては最高機関になります。
また一方で、全国レベルでは3 つないし4つの機関がございます。初めに、全国中央本部、また中央執行委員会もしくは中央評議会、そして、その代表者によりまず大会があり、この大会が政策決定、そして組合員にとっても最高機関になります。COTUK は全国規模での労働組合のいわゆる傘としての役割を果たしております。これはケニアの国内法に基づいて結成されなければいけないことになっています。組合費ですが、一人あたり10ケニアシリング、米ドルに直しますと、約0.13 ドルになります。これを各組合員からいわゆるチェックオフ制度のもとに月ごとに収集しております。これは、経営者が天引きをするということです。
最近の労働活動に関してお話しします。設立以来、COTUK が特に労働者を代表して取り組んできた課題は多くあり、1 つには民主化。そして、いわゆる正当な新しい統治といったもの、もしくはアフリカナイゼーションと呼ばれている我々の公務員のアフリカ化です。または、ケニア国内に在住する外国人の問題、住居・住宅の問題、低賃金の問題、収入に関する政策、賃金のガイドライン、グローバリゼーションに関する構造調整のプログラムの問題などもあります。
COTUKの主な活動政策でありますが、すべての労働者が賃金アップを実現すること、そして十分な住宅事情を迎えるということ、もしくは住宅手当てを引き上げるということが主な政策課題になっています。また、私どもとしては、政府が法で定めている賃金ガイドラインというものは撤去されるべきだと考えています。この構造調整並びに人員整備プログラムですけれども、これは段階的に実施されるべきだと考えており、定年年齢に達した労働者がやはり最初の人員整理の対象になるべきだと考えています。経営者の中には、先に会社に入ってきた者から先に出ていくべきだという政策を掲げておりますが、我々はそうではなくて、やはり定年を迎えた者から整理されるべきだと主張しております。今申し上げました課題、もしくは目標を実現していくために、具体的にはどういったキャンペーンを行っていくのかというと、まず、国や政府は、貧困撲滅計画をスタートさせておりまして、この計画を実現するための委員会にCOTUKは参加しています。また、雇用並びに労働組合法の改正においては、議会で議論がされており、COTUKの書記長であるムガラ書記長が努力をして既に議会を通過して改正自体を成すものという状況になっています。また、雇用機会はケニア国民に与えられるべきで外国人ではなく、必要があればケニアで仕事をしている外国人は、やはり有効な許可証を得ないと仕事ができないとしなければいけないとCOTUKでは考えております。