2010年 ジブチの労働事情

2010年2月19日 講演録

ジブチ民主労働組合(UDT)
ファラ アブディライ ミギール

中等教育学校教育組合 書記長

 

1. 労働情勢(全般)

 効果的な雇用政策が実施されていないため、新しい雇用が創出されていない。また、社会保障なども不十分なために、労働者は大変不安定な状況に置かれている。
失業率も大変高くなってきており、最近発表された数字は70%となっている。都市部が60%で、地方、農村地帯では87%となっている。失業者の大多数は若者である。
ジブチの労働者の賃金格差は極めて大きい。全産業一律最低保証賃金(SMIG)は100ドル程度であったが、1977年の法律によって廃止された。ジブチの生活費はとても高く、それなりの生活を送るには少なくとも月額1,000ドル程度が必要だが、平均賃金は300~400ドル程度にすぎない。

2. 労働組合が現在直面している課題

 1995年9月以来、構造調整策(労働者の給与の30%カット等)に対抗して、様々なゼネストを打ってきたが、多くの労働組合の指導者が解雇され、現在まで状況は変わっていない。
また、以下の課題がある。

  1. 組合運動に対する弾圧がある中で、どのように組織化を図っていくか。
  2. 政府に労働組合の自由を尊重させるにはどうしたらよいか。特にILOの87号及び98号条約をどのように尊重、遵守させるか。
  3. 労使対話が存在しないため、ソーシャルダイアローグをどのように実現していくか。

3. 課題解決に向けた取り組み

 ナショナルセンターとして様々な対策を打ち出し、労働省や首相に対して要求書を提出している。共和国大統領にも要求書を提出したが、まだ回答を得ていない。
そのため、ILOに対して調停を要請した。2008年1月に調査団が来て、調停を行ったが、出国後直ちに国家当局は結ばれた協定を破棄してしまった。

4. ナショナルセンターと政府との関係

 1995年以来、良好な関係が築かれていない。政権は組合組織代表と交渉のテーブルに着こうとしない。政府との関係が断絶してしまっている。
2008年1月以来、三度にわたるILOの調停にもかかわらず、ILO代表は政権の頑なさを何ひとつ変える事に成功していない。