2002年 チャドの労働事情

2002年9月11日 講演録

チャド労働組合同盟(UST)
チェトラミー タオ ハミア

チャド労働組合同盟 全国青年担当

 

国内の状況

 ここ2、3年のチャドの状況は、選挙とそれにかかわる選挙活動が挙げられます。大統領選挙が2001年5月20日、国民議会選挙は2002年4月に行われました。労働組合は、この大統領選に際してオブザーバーとしての立場をとりました。そういった中で、大統領選挙期間中に労働組合のリーダーが逮捕されるという事態が怒りました。ちょっと言葉が強過ぎるかもしれませんが、中には政治家から拷問を受けた者もいます。また、問題としてチャド全体で人権の侵害があります。
1994年に通貨が切り下げられたことを受けてインフレが発生したことが大きな問題です。インフレによって実質的な賃金が下がり、家計は常に苦しい状態にあります。そういった状況ですが、政府が給与の支払いを守っている中で、労働運動は休止状態にあります。賃金の支払いが安定しているので、労働組合活動のスピードもゆっくり目になっています。
労働運動から見ると比較的平和な状況が続いていますが、失業問題は確実に日々悪化しています。特に若年層や新卒者の失業が深刻な問題になっています。構造調整政策の結果により、若年層、特に新卒者の失業が進んでいる中で、新卒者の採用が進んでいる部門が2つだけあります。厚生省、そして教育省です。
問題の最後にチャドは常に戦争状態にあります。その戦争とは、中央アフリカでのものと、北部での独立運動などをめぐる紛争です。

USTの活動方針

 労働組合は、9つの要求を掲げています。賃金の引上げ。地方においての未払い賃金の支給。契約社員、並びに公共部門におけるパートタイム労働者に対する最低賃金の適用。1969年に締結された協同合意の改正。未払いの年金の支給。石油基地で働く労働者の状況を改善。その石油基地の中でGPSという企業が活動しているのですが、その労働者のための雇用安全の確保。政府、雇用者側がこれらの一連の要求をフォローしていく意思がない現状に対して、労働組合として強く働きかけています。政府との間で協議を続けているわけですが、私もその協議に加わっている一員です。
このような状況の中でILOにもチャド政府を相手として提訴を行ないました。ILOからチャド政府に正式に回答が行なわれ、労働組合活動の権利を侵害することがないようにという勧告が行なわれました。この問題を巡って国民議会からも政府に対して質疑がなされました。政府とUSTとの協議は続いており、来週、9月16日にもまた話し合いの場が持たれることになっています。話し合いを待たずして、8月14日から16日には3日間の警告ストライキを行いました。このストライキには公共、民間部門を問わず、労働者の80%が参加しました。政府はこの動きを重視して、ストライキ期間3日間分の給与を支払わないという態度に出ました。そういう政府の態度を見て私共は、政府が3日間の賃金を支払わないのであれば、無期限ストに入ると宣告しました。
最後に青年委員会について2点ばかり挙げさせてください。青年委員会は1989年9月より活動しています。まさに職のない若者の問題に取り組むための委員会です。課題も非常に重要なものがあるのですが、この場では発表しません。JILAFにも、こちらの資料などを渡してありますので、そこに詳細が書かれています。ただ、その中で私たちの活動として挙げさせていただきたいのは、30人ほどの若者を対象に行われた野菜の集約栽培プロジェクトです。この若年向けの野菜の集約栽培プログラムは日本円に直しますと50万8,000円未満のコストで実現しました。もうちょっとサポートがあれば、このようなプログラムが若者のためにこれからも続けていけると思っています。