2004年 ブルンジの労働事情

2004年7月14日 講演録

ブルンジ労働組合連盟(COSYBU)
タルシス ガウング

ブルンジ労働組合連盟 副会長兼農業科学研究所労働組合中央執行委員

 

ブルンジの概要

 ブルンジがJILAFの招聘プログラムに参加するのは今回が初めてです。JILAFに感謝します。
まず、国の概要を若干ご紹介します。2002年の統計で人口が630万人、人口密度は234人/平方キロです。人口の52%が女性で、人口の64%が0歳から24歳までの若年層です。出生率は2.9%、合計特殊出生率はブルンジの女性の場合は6.8人です。一人当たりのGDPは110ドルで、おそらく世界で最も貧しい国の1つではないかと思います。
1993年10月以来、ブルンジは国始まって以来と言ってよいほどの社会的、政治的な危機に見舞われました。メルキオール・ダダイエという民主的に選ばれた大統領が暗殺され、これにより内乱に陥りました。その内乱の結果、死者が20万人にも上り、そして50万人が難民となったからです。また、39万人が強制移住させられました。
1998年に政府の指導により、平和及び治安の維持計画が実行されました。軍および政治団体、あるいは圧力組織との集中的な対話を図るものです。
そして2000年7月28日、アルーシャにおいてジュリアス・ニエレレおよびネルソン・マンデラの仲介により、平和および和解の協定を結ぶことができました。この協定は19の民族、部族および政治的グループの間で結ばれたものです。
2005年11月をめどに民主的な国民選挙を行おうということで、3年の猶予期間を置き、これを前期と後期18カ月ずつの任期に分けて民主的選挙を行おうとしています。現在は国連による平和維持軍が入ってきています。そしてこの国連平和維持軍は南アフリカ、モザンビーク、エチオピアによって構成されているもので、停戦協定を確保するためのものです。
戦争により、人権がひどく踏みにじられました。特に生活に関する権利が踏みにじられてしまいました。特にある部族をある地域に押し込めるということがあり、自由に移動する権利、自由に住居を選ぶ権利などが侵されました。
また政府当局により、野党政治家、ジャーナリスト、そして組合指導者などが逮捕、監禁され、表現の自由が失われてしまいました。こうした人権の侵害が横行しています。大変懸念されるべき事態です。また、行政のあらゆるレベルにおいて、広範に汚職がはびこっています。
以上が、ブルンジで労働者及び労働組合関係者が直面している社会的政治的な状況です。

COSYBUの活動について

 私どものナショナルセンター、コシブ(COSYBU)とその取り組み、活動についてお話しします。
1957年、まだ植民地時代に労働組合が認められたとはいうものの、ブルンジで本来の意味での労働組合運動が発展するのは、1992年に複数政党主義が出現してからです。すなわち1966年に結成された単一政党、アプロナ(UPRONA)という政党が1993年までブルンジ労働者連盟(UTB)という御用組合をつくり、それが唯一のナショナルセンターとして1966年から続いてきました。このUTBは党に忠実な行動をとり、イデオロキーの面でも党に対して忠誠を尽くし、党と一体化したナショナルセンターでした。すなわち単一政党主義、あるいは単一労働組合主義の時代でした。
しかし、1992年の多数政党主義の出現により、UTBはブルンジ自由労働連合(CSB)に名称を改称しましたが、さまざまな労働組合に関しての意見の多様化にはついていけませんでした。
そういう状況の中でコシブ(COSYBU)が1995年3月3日に設立されました。CSBから離れて本来の政治的な権力を取り返そうということ、CSBが労働組合としての活動を行っていないということで、CSBから離れいった労働組合が結集してコシブを結成しました。労働者のさまざまな結合を図り、1997年3月17日以来最も代表的なナショナルセンターとなりました。
コシブには20の組合が加盟しています。国民の生活に関連するすべての分野の組合です。特にこのコシブは独立性と自律性を保っています。政府からの指導あるいは資金的な援助を受けていません。
2000年1月にコシブはゼネストを敢行しました。このストライキは、生活に最も必要な物資の価格上昇に反対するためのものでした。政府は労働組合の指導者たちを逮捕するなどして、労働運動の弾圧を図ろうとしました。コシブの会長、副会長および財務担当者等が政府の命令によって逮捕されてしまいました。
今日では、こうした政治的な状況は大分落ち着いてきています。労働組合の使命は、労働者を保護することです。社会的正義のための闘い、あるいは富の公平な分配のための闘いが労働運動の目的です。もちろん労働者の利益の保護およびその拡大も目的です。そのためにコシブと加盟組合は活動しています。
私どもは1993年以来、多くのさまざまな危機を抱えています。まず、平和や治安の回復が私どもの国の発展の基本条件です。確かに緊張の時代は終わろうとしています。難民や、外国に逃れていた人たち、あるいは以前の闘士たちも戻ってきています。戻ってきていることにより社会的なインフラなどに大きな圧力がかかってきています。すなわち、また近い将来において、新たな問題が起きる可能性が含まれているわけです。そのためにブルンジの労働組合として、平和の構築等に効果的な貢献をしなければならないと考えるわけです。
現在のコシブの主な取り組みは、まず労働者の利益の保護です。貧困との闘い及びHIV/エイズとの闘い、そして平和と社会的な正義の構築です。労働運動に関連するすべての人間の連帯と強い意志を持って平和と連帯を構築したいと考えます。