2002年 ナイジェリアの労働事情

2002年7月17日 講演録

ナイジェリア労働会議(NLC)
キリモハメッドシャイブ

ナイジェリア公共サービス労働組合ジガワ州支部委員長

 

国内の状況

 ナイジェリアの労働運動を取り巻く状況を申し上げますと、生まれたばかりの民主的文民統治の中にあるというのが特徴です。したがって、国の統治は、選挙で選出されるか、もしくは任命された政府役人による独裁主義的あるいは恣意的な政治の域を出ていません。
政党政治あるいは政党制度はまだ弱体で、政治は諸問題やイデオロギー、つまり思想から離れたところにあります。そこで、しばしば中傷合戦や民族、宗教上の衝突に陥っているという状況です。
独裁政治の二次的な影響下にある状況の中で、市民が政府を相手にしてどう闘っていくかという問題については、まだ闘う環境にはないということがいえます。したがって、政府と市民社会の間に必ず存在すべき公的政策に関するパートナーシップが、ナイジェリアの政治制度には欠けています。
その顕著な例は、石油製品の価格決定です。
これについて、政府は今まで一方的に措置を講じてきました。新体制のもとでの経済計画は、西側から押しつけられた、いわゆる調整という理念によって、運営されています。事実、政府は社会的給付の分野や経済の分野で後退しつつあります。
重点が置かれているのは民間主導型の開発です。民間部門はまだ弱く、このような課題に対応する能力がほとんどないという状態です。それにもかかわらず、主な民営化に関する交渉は完了しました。その一方で、その他の戦略的国営公益企業と国有財産は売却リストに載せられました。全体としては、経済計画の新自由主義的方向は、破壊的な影響を与えています。
輸入自由化の結果、大規模な工場閉鎖が起こり、国内生産が生き残れなくなりました。
金融及び財政政策は経済の生産能力を拡大し、貧困や失業を軽減する方向には向けられていません。重点はブレトンウッズ体制によって処方された狭いマクロ経済目標に置かれていて、国民の福祉や成長の促進には関係がありません。
しかし、ナイジェリアの経済は政策と政治的安定の正しい組み合わせさえあれば、これからも立派に成長を遂げていく潜在的能力を持っています。ナイジェリアの民族的、宗教的多様性をうまくおさめていくというチャレンジは、新体制下でも決定的な重要性を持っています。時には緊張が高まることがありますが、国の一致団結を維持していく必要性があるということについてはナイジェリア国民は一致団結しています。ただ、政治体制の中にある、ある種の分配上の不完全性については対処すべきであると憂慮している人たちがいます。
例えば南部の石油生産地は石油販売の取り分をもっと多くしてほしいと希望しています。
また、少数民族の人たちは国のすべてのレベルにおいて実効的政治権力をもっと得たいと望んでいます。汚職あるいは腐敗に対して幾つかの大胆で新規の取り組み、対策が見られましたが、現体制は汚職との闘いでまだあまり成果を上げていません。ナイジェリアには汚職防止法及び汚職関連の案件だけを審理する専門的な裁判所が設立されています。

NLCの活動方針

 労働者や労働者の家族のニーズや利益が国の政策によりよく反映されるように、国の政策がそれらのニーズをよりよく反映するように、政府の政策に対して労働側がもっと影響力を強めていくことが重要です。
国の経済再構築戦略が幾つかありますが、その中でも特に民営化について、積極的に、建設的に介入していって、それにより民営化による労働者や一般国民への影響を最小限に留めようとしています。
また、労働の世界については、労働の世界をより人間的なものにし、また国際基準に適合したものにしなければなりません。労働組合運動において倫理を回復し、組織内民主主義を深めなければなりません。
民主主義を維持し、反民主主義的な分子、特に軍部の冒険主義から民主体制を守らなければなりません。そのために市民社会の他の構成員とネットワークを組み、お互いに力を合わせなければなりません。

具体的な活動

 NLCと市民社会の間で、民主主義擁護のためのネットワークを設立しました。
2002年をパートタイム労働への全面戦争の年とする宣言をしました。労働運動が法律改正における主要プレーヤーとして活動できるようにするため、議会への働きかけを強めていきます。
汚職、職権濫用、行き過ぎた権威主義、それから社会各層の声高の要求による国の統一の乱れがないようにするために、それに対して積極的に、大規模に発言していくような、そういう団体をつくりました。
燃料費の高騰に対しての運動、それから、生活費の回復を求める運動を展開しています。