2003年 マダガスカルの労働事情

2003年11月12日 講演録

マダガスカル労働組合連盟(FMM)
ロンドロ パトリシア ラヴェロンジャトヴォ

ノースサウスコネクション労働組合(情報処理) 副事務局長
FMM 教育担当

 

国内の状況

 まず、マダガスカルの経済状況あるいは雇用状況からお話ししたいと思います。労働力人口の80%が農業あるいは農業関連の産業に従事しております。そして、近代産業については、この労働力人口の10%が従事しております。都市部におけるインフォーマル・セクターに従事する人間は7ないし9%、また首都のアンタナナリブでインフォーマル・セクターに入っているのが労働力人口の57%です。ですから、失業率は正確な統計が出せませんので、インフォーマル・セクターなどで従事する者を不安定な失業者と考えた場合、75%にも上ります。ですから、雇用状況については以下のようになるわけです。
地方の農業従事者には、十分な農業設備がそろっていません。また、近代産業においては、労働市場では高度な技術をもった労働者が、要求されておりますけれども、これを満たすだけの労働力人口がございません。そして、年間の雇用成長率は、現在3%です。そして、公務員の採用が凍結されており、これが公共部門に非常に大きな障害、あるいは影響を及ぼしております。そして、あらゆる分野の産業でインフォーマル産業の労働者が非常に増えてきております。それにより国家予算が十分に組めない状況でもあります。
2001年12月に危機を迎え、その後、政府もこうした状況の改善に努めてきています。具体的には、民間への投資の奨励、すなわち、公共部門から民間の会社をつくる際の法律を柔軟に適用させること、そして資本の移動を自由化すること、また、都市部あるいは地方において中小企業の設立を容易にするために生産設備に関する税金を軽減、あるいは無税にすることです。それから、政府で主要な政策決定をする際に、民間の会社に諮問したりあるいは相談する機会を設けることです。これを「プライベート・アンド・パブリック・パートナーシップ」と呼んでおります。
さらに加えて、より近代化を進めるために、商法の適用を改善し、腐敗・汚職等を減らすこと、あるいはそれに対応すること、労働争議について斡旋・仲裁などのシステムを確立し、その労働争議の解決を促進すること、企業あるいは会社の義務となる事項を明確化すること、そして新しい全国的な雇用政策を確立すること、また労働法の改正、社会保障の充実、15歳以下の児童労働に対する闘争などが具体的事項として挙げられております。
現在、労働社会関係法律担当省が民間部門を担当し、また、公共部門省が公共部門の雇用を担当しています。
次に、労働市場における具体的な統計についてお話しします。マダガスカルの総人口は、約1,500万人です。そのうち労働力率が67%、農業従事者・農業雇用者が81.5%、鉱工業が5.5%、商業が4.7%、公共部門が2.6%、サービス関係が5.7%、それから給与生活者のパー、センテージが15%です。
労働条件については、書面で書かれた労働契約を結んでいる者が3.6%、社会保障の給付を受けている者が4.9%、休暇の権利を持つ者が5.5%です。

FMMの活動方針

 ごく簡単に私どもの組織FMMの目標としているところを発表したいと思います。第一に挙げられますのが、雇用環境の整備です。特に労働法を整備して、労働者の保護に努めることです。特に民間部門の労働者を対象としております。具体的な方策として、労働法をつくること、特に単組・労働組合の協力によって労働法の改定、そして使用者、労働省及び組合の三者構成による新しい雇用政策を打ち立てること、また、さまざまな社会保障の給付を拡大し、再定義し直すこと、すなわち「全国雇用金庫」をつくってそうした事業を進めること、また公務員、公共事業部門の雇用者の身分確立などが挙げられます。
また、社会経済及び政治に関する主要な目的について定義を具体化し、それにFMMも参加することが挙げられます。特に、貧困との闘い、エイズとの闘い、そしてILOの指示によりまして児童労働に対する闘いについて国際協約等を批准することを促進しております。