2011年 ガーナの労働事情

2011年10月21日 講演録

ガーナ労働組合会議(GTUC)
Ms. マーガレット・オフォスア・ダルコ

 

1.労働情勢(全般)

 現在ガーナには、ガーナ労働組合会議(GTUC)(18加盟組織、組織人員50万人、5インフォーマル部門労働組合)の他、ガーナ労働者連盟(10加盟組織、組織人員1万人)や、どちらにも関わらない小さな独立組合が乱立しているが、ガーナ労働組合会議(GTUC)が労働者を代弁する組織であると認められており、政府、使用者との交渉において、組織化された労働者の声を正式に代表する組織と認定されている。

2.労働組合が現在直面している課題

 すべての労働者の賃金を単一賃金表に載せる単一賃金表体系(Single Spine Salary Structure)の制度導入が計画された。あまりにも多い給与体系が事務作業を煩雑化しているという政府の判断がそこにはあった。政府部門の労働者の75~80%がすでにこの賃金体系に移行したが、民間コンサルタントによる職務評価が適正でないと労働者からの不満は多い。
また近頃、新たに油田が発見されたが、石油採掘ができるということは、一般市民・国民の生活向上につながるのか、それとも社会・政治構造の腐敗や、環境汚染につながり、人々がかえって貧困に陥るのか、結局は国民の判断、決定を待つということになる。

3.課題解決に向けた取り組み

 ガーナ労働組合会議(GTUC)がこれまで国の発展に貢献したことは評価されており、今日のGTUCと政府との関係は良好である。単一賃金表体系の導入については、利害関係者(政府、使用者、組織労働者)で協議、ワークショップが開かれ、そこで、単一賃金表政策の実施から生じる懸念事項や課題に取り組む努力をすることで、この政策の実施に合意した。政府部門労働者の単一賃金体系に対する不満については、公正賃金・給与委員会に是正を求めて課題を提起する。
石油に関する問題について、GTUCにおいて、よく練られた参加型の全国会議の開催を呼びかけ、石油産業の開発、石油業界がガーナの経済全体にどういう関係を持つべきかを議論することになった。ここから、すべての政府部門にとって重要な、全員一致のコンセンサスベースの青写真が出てくることになっている。
また、包括的国家雇用政策の採択に向けた社会的パートナーとの対話にも参加している。

4.ナショナルセンターと政府との関係

 GUTCと政府との間には、平和的で良好な協働関係が存在する。これまで国の発展に対してガーナ労働組合会議は積極的な役割を果たしてきたこと、また現在も、例えば全国三者構成委員会、国家労働委員会、労働諮問委員会、公正賃金・給与委員会などで、引き続き、我々が国に対して重要な役割を果たしているからである。
ただし、特定の事項や、ある問題点についてどちらかが不満を持っているという場合に意見の不一致が生じることもある。

5.多国籍企業の状況

 現在ガーナで操業している多国籍企業は、農業、金融、電気通信、工業、商業部門等に数多くある。農業(カカオ加工)に従事する多国籍企業の大半は自由貿易区で操業しており、租税や組合結成に関する法の適用が免除されている。基本的に多国籍企業は利益の最大化、資本家の資本増加に最大の関心がある。したがって、それと利害が一致しない労働組合の結成、労働組合加入に対しては、阻止しようとさまざまな妨害工作行なわれる。例えば解雇や、嫌がらせ、抑圧や脅迫を受けるということも現実に起きている。
多国籍企業は、利潤を最大化するためにより安価な労働力を求めて、別の国に移動することが多く、基本的に、労働組合を「そもそも会社が労働者に提供できる以上のものを要求するもの」と考え、労働組合結成、あるいは労働組合加入に対しては極めて敵対的な態度をとっている企業もある。これは明らかに、労働者が憲法および2003年労働法に明確に規定された労働者が労働組合に加入する権利を侵害するものである。