2002年 ガーナの労働事情

2002年7月17日 講演録

ガーナ労働組合会議(GTUC)
エマニュエルアームストロングメンサー

ガーナ運輸・石油・化学労働者組合事務局長

 

GTUCの活動状況

 ガーナに二つのナショナルセンターがあります。一つがガーナ労働組合会議(GTUC)で、もう一つがガーナ労働組合連盟(GTUF)です。
ほかにも中立系の労働組合の組織が幾つか存在します。ガーナ全国教員組合、ガーナ登録看護婦労働組合などで、これらの組織はナショナルセンターに加盟していません。
GTUCは、労働諮問委員会あるいは三者構成協議会の場で労働組合を代表して参加しています。
GTUCは、政府と非常に良好な関係を維持していますが、政府の政策を全て同意しているわけではありません。例えば累積債務を抱える最貧困国に対する構想について、GTUCは政府の考えを支持しているわけではありません。
政府は現在、水道部門の民営化を考えていますが、GTUCは政府とは違った考えを持っています。GTUCの運営委員会は、政府がHIPCと呼ばれているものにどうして参入したのかということに対して疑問を持っており、政府のやり方は間違っているのではないかと考えています。このように意見は分かれているところはありますが、全体的に見ると、GTUCは政府と幅広いところで協力しています。
世界銀行やIMFがガーナ政府に対して幾つかの政策を押し付けています。現在のグローバル化の中で、GTUCはいろいろな問題に直面しています。貿易の自由化、様々な分野の民営化、またダウンサイジング、規模の縮小あるいは規模の適正化、そしてまた規制緩和といった課題であります。
その影響として、失業者が増大しました。
失業してインフォーマルセクターに移ってしまう人もいます。こういった環境の中でGTUCは、組織されていない未組織労働者、インフォーマルセクターに移った労働者を組織化する努力を始めました。
ガーナにおける雇用の創出について、これまでの20年間、あまりうまくいっていません。
理由は、多くの企業が倒産したためであり、また政府の事業が民営化されたためであります。
政府企業が民営化されたときに、多くの労働者を削減されるということがこれまで行われてきました。新愛国党(NDP)という政党が存在しますが、この政党は現大統領の与党になっています。その与党が雇用創出のための政策を打ち出しています。GTUCはその政党が約束した雇用創出がきちんと達成されるかどうか監視しているところです。
次に、労働の臨時労働化について説明します。ガーナ経済のいくつかの産業分野では、使用者は労働を臨時労働化していこうと考えています。継続的な仕事にもかかわらず、処遇は臨時労働扱いにすることを考えているわけです。臨時労働者として扱われている労働者は、6カ月から15年ぐらいの期間で雇用されています。こういう労働者は非常に弱い立場にあり雇用を失うのが怖いため、どういった契約の内容で働かされているかということを、労働組合などに情報を漏らすということはありません。
次に、労働法についてお話しします。1992年のガーナ憲法は国際的な労働基準に則した形になっています。ほとんどの労働法が既に制定されています。改正労働法案が現在の内閣で審議されています。もしこの改正労働法案が議会を通過するということになると、臨時労働者の問題が若干緩和されるのではないかと考えています。
中核的労働基準を構成するILO条約は、111号、29号、138号、105号、182号を批准しています。
次に、政府の2002年度の予算は、部門別に見ると、希望が持てるような編成になっています。いろいろな構成分野がそれぞれの産業分野で、予算案に計画されている内容が実際に実施されているかどうかを監視しています。
次に、団体交渉、労働協約の分野では、経営者と労働組合との間のさまざまな交渉、例えば賃金とか一般的な労働条件に関する交渉を現在続けています。