2012年 コンゴ共和国の労働事情

2012年9月28日 講演録

コンゴ労働組合総連合(CSTC)
ベロ・ベラール・エロー(Mr.Bello Bellard ELAULT)

コンゴ労働組合総連合(CSTC)会長

 

1. 当該国の労働情勢(全般)

 コンゴの人口は約403万4000人で、首都はブラザビルである(人口約200万人)。コンゴには公務員8万人、公式の民間部門に1万5000人の労働者がいる。インフォーマル部門が国土全般に広がっているが、その実態は完全には把握しきれていない。
法的には、2002年1月20日に制定された『憲法』および現行のコンゴ『労働法』が基本的な労働組合の権利を保障しているが、公務員を含む労働者の中にはこの保護の権利を享受していない者がいる。また、民間部門の協定について定める『労働法』および国家公務員の一般的地位を定める1989年11月14日に制定された法律第14―89条では、労働組合活動に対する差別を禁じているが、効果的かつ迅速な手続きによる支援がない。給与から組合費を直接天引きすることが現実には法律で禁止されていないが、団体交渉の対象となっていない。
ストライキを呼び掛ける前に、強制的ではない和解や調停手続きを可能な限り行なわなければならない。「公益の保護に不可欠な」業務のストライキにおいては、最低限の業務を遂行しなくてはならない。この最低限のサービスは雇用主が準備し、これを拒否することは重大な過失となる。
労働組合の代表資格は職員代表者の選挙により決める。1996年以降CSTCは、さまざまな選挙で最も職員の票が多く、コンゴを代表する労働組合となっている。2011年12月の代表選挙でCSC 913票、COSYLAC 887票に対し、CSTCは2944票であった。

2. 労働組合が現在直面している課題

CSTCが部門別に特定した重大な問題は以下のとおり。

民間部門
  • 不法な下請け業務が行なわれている。
  • 闇の仕事の増加により雇用の不安定性が高まっている。
  • 労働契約書や給与明細がない。
  • 雇用主が全国社会保障金庫(CNSS,年金制度)の負担金を払わない。
  • 全産業一律最低保障賃金(SMIG)および農業最低保障賃金(SMAG)に関する法律が遵守されていない。
  • 団体協約およびこれに付随する事業所協定がほぼすべて古い。
  • 解雇が濫用されている。
  • 全国労働諮問委員会の会議が定期的に開催されていない。
  • 労働裁判所と係争委員会が円滑に機能していない。
公共部門、公共周辺部門
  • 身分規定の改正および昇進のための同数行政委員会(CAPA)の開催が遅い。
  • 昇進や給与改定、または行政状況見直し後の予算凍結解除の約束を国が守らない。
  • 政府からの労働者向け貸与措置の実施が遅い。
  • 管轄下の企業の移転
  • 運営予算が目減りする。
  • 労働組合の運営評議会や国営
  • 周辺企業執行委員会への参加が少ない。
  • 郵便貯金銀行の定款に関して組合との協議がない。
  • 前ONPT(全国郵便通信局)職員の給与支払期限が守られない。
  • 公務員上級評議会が定期的に開催されない。

3. その課題解決に向け、どのように取り組もうとしているのか

 これらの問題に対して適切な解決策が必要である。そのため、CSTCは政府に対して、国、省庁、県レベルの全国労使対話委員会を体系化し、かつ定期的に開催し、活性化させるよう求めている。

4. あなたのナショナルセンターと政府との関係について説明してください。

 CSTCは政府にとって、確実かつ重要なパートナーである。政府とは社会対話での交渉により労働者のさまざまな問題に対する解決策を見つけた。このように政府との関係は良好である。これは結託ではなく尊重と相互理解の関係である。労働組合が要求し、政府が交渉のための条件を作っている。

5. あなたの国の多国籍企業の進出状況について、また多国籍企業における労使紛争があればその内容についてお知らせください

 多国籍企業は、建築、建設、携帯電話、通信、石油・鉱物資源開発、林業、道路建設、商業等の分野で進出している。コンゴの現行の労働規則の不遵守、低賃金、結社の自由の不遵守、闇の仕事、下請け、労働者への研修を行なわないなどの点で紛争が起きている。