2012年 コンゴ民主共和国の労働事情

2012年9月28日 講演録

コンゴ民主共和国民主労働組合同盟(CDT)
ブルーノ タジヌドンガラ(Mr.Bruno TAZINDONGALA)

コンゴ民主共和国民主労働組合同盟(CDT)会長補佐

 

1. 当該国の労働情勢(全般)

 コンゴ民主共和国は非常に貧しい債務国で、コンゴ指導部の弱さに乗じて、コンゴ東部の地下資源を独占しようとする隣国ルワンダとの戦争によって労働情勢は悪化している。統治が悪いため、最低賃金(1日3ドル)で働く労働者は生活できない。仕事が不足しているため、労働者の立場は弱くなり、少ない給与でどんな仕事でも受け入れなければならない状況に置かれている。労働組合の活動の自由は、現政府によって踏みにじられており、法制・法令は守られていない。

2. 労働組合が現在直面している課題

 「民主的社会福祉」を理想に掲げるCDTは、人間の本質的な価値を提唱しているが、なかなか受け入れられない。人間を中心にした考え方なので、社会福祉よりも利益を優先させる資本家たる雇用主の大多数から反発を買っている。
インド人、レバノン人、中国人、パキスタン人が溢れる国。異国民に占領されてしまった状態のわが国の無力な政府は、汚職・収賄などが蔓延して人が人を搾取している状況を統制するのに苦労している。CDTは、道徳に反するあらゆる行為を糾弾し続けている。非人道的行為をはびこらせている政府を告発しているCDTを、政府は好きになることはできない。

3. その課題解決に向け、どのように取り組もうとしているのか

 CDTは、テレビを使って労働者の教育研修プログラムを実施している。組合員が支払っている少ない組合費(基本供与の2%)で、長い間苦しんでいる人たちがいることを訴えるコマーシャル費用を賄っている。また、新聞などのメディアも活用したり、組合誌「Flash CDT」を発行して、国内外に意見を発信している。

4. あなたのナショナルセンターと政府との関係について説明してください。

 CDTとしては、加盟組合員が苦しんでいる反社会的な決定は受け入れることができないため、政府との関係は穏やかではない。政府に対するCDTの答えは、いつも「NO」である。首相が最近、社会対話常設枠組みを廃止したが、CDTは承服できない。CDTは、協議の場で正面から真実を述べている。労働者の利益になる場合は協力し、そうでない場合は協力しない。パートナーであり、それ以上でもそれ以下でもない。

5. あなたの国の多国籍企業の進出状況について、また多国籍企業における労使紛争があればその内容についてお知らせください

 多国籍企業のほとんどは労働組合を否定しない。しかし、力関係に問題がある。労働組合の強さにも問題がある。資本家は「プレゼント」をしないが、何とか若干の特典(良い条件)を勝ち取っている状況である。