2009年 コンゴ民主共和国の労働事情

2009年1月28日 講演録

コンゴ労働組合同盟(CSTC)
アンヌ・マリー・ンズィラ

建製造関連産業組合社会事業担当兼CSTC社会事業担当書記

 

1. 労働情勢

 コンゴの労働運動には60年の歴史がある。始まりはフランスの労働組合の影響を受けたものだった。1960年の独立に際し、我々のナショナルセンターが設立された。1963年には運動が非常に活発になり、ついには体制を転覆させるに至った。以来、わが国では労働組合の自由や労働運動は尊重されている。
1975年、最初の労働法典が議会で承認された。この労働法典は1996年に改定、補完された。

2. 現在直面している課題

  • CFA(セーファーフラン)の切り下げ
  • グローバリゼーション、企業の移転、不安定な雇用などに起因する問題
  • 失業と飢餓
  • 労働者の貧困化
  • 購買力の低下
  • 生活必需品の高騰
  • 極めて低い賃金水準

3. 課題解決に向けた取り組み

 以下の問題について政府との間に協議、交渉の枠組みを構築する。

  • 賃金と社会保障の見直し
  • 国民の食料、生活必需品を確保するため、未開発地域の経済開発
  • 中小企業、中小産業を形成し、若年層の雇用を創出
  • 輸入品の関税引き下げ

4. ナショナルセンターと政府の関係

 常時の対話により労働運動の自由、協力を進める良好な関係である。

5. 多国籍企業の進出状況

 現在のところ、石油産業にしか存在しない。
国民生産の再分配は全ての国民層に行き渡っているわけではない。

コンゴ民主共和国全国労働組合(UNTC)
ジール・カソンゴ・ムハラ

石油・エネルギー・化学労働連盟副事務局長

 

1. 労働情勢

 コンゴ民主共和国では企業における労働者の代表権は、労働組合の代表によって確保されている。選出された役員の配備、研修、フォローアップなどは、それぞれの職業別組合において行われている。
組合役員の任期は3年で、更新可能。経営者は組合役員に対して、月間15時間から35時間を限度として活動に必要な時間を認めなければならない。

2. 現在直面している課題

  • 企業における御用組合の存在
  • 民主的に組合が設立されないこと
  • 一部の労働運動指導者が、組合員の権利を侵害したり、あるいは無視すること
  • 労働組合文化、信念の欠如から労働組合が迷走していること
  • 組合活動の政治運動化
  • 労働組合間の連帯やチームワークの欠如による労働運動の弱体化

3. 課題解決に向けた取り組み

 労働運動に参加する者全員一致の意思表明として、労働組合は以下の取り組みにイニシアティブを発揮することを決定した。

  • 各労働組合に対して労働者の組織化対策を義務とする
  • 各労働組合に対して、役員の民主的な選出のために定例大会の開催を義務とする
  • 政党指導部と役職を兼任する組合幹部、同様に組合の常任役員でありながら企業従業員を兼ねる者を追放する
  • 全てのセクターの組合指導者間で協力の枠組みを構築し、共通の社会政策の策定に向けて労働組合間で共同歩調を取る

4. ナショナルセンターと政府の関係

 コンゴ民主共和国には12のナショナルセンターがあり、UNTCはその主要なナショナルセンターである。わが国には雇用・労働・社会保障省内に、常設の労働審議会がある。この審議会は三者構成で政労使の代表が それぞれ同数参加し、以下のような様々なテーマについて審議している。

  • 雇用、労働、労働力、社会保障に関わる全ての問題
  • 職業間最低賃金制定のため、あらゆる要素を検討
  • これらについて規約を提案したり、解決策を具申する

5. 多国籍企業の進出状況

 コンゴ民主共和国は潜在的な可能性にあふれており、全ての分野で多国籍企業や外国企業に門戸を開いている。投資に関しては計画省のもとに、唯一の公的機関として法人資格を持つ投資促進庁(ANAPI)がある。
わが国での多国籍企業の進出は世界的な経済危機に起因する。投資家たちは税制上有利で、安価、かつ効率のよい労働力のある市場に進出しようと考え、わが国に進出してきているようである。