フィリピン 労使関係・生産性セミナー(PROGRESS)

 国際労働財団(JILAF)は、フィリピン労働組合会議(TUCP-ITUC)との共催で「労使関係・生産性セミナー(PROGRESS)」を7月23~27日、フィリピン・マニラ市で開き、労働組合指導者など約20人が参加した。
 このセミナーは、生産性向上運動を通じて、建設的な労使関係を確立することを目的としている。受講生は専用のテキストを基に、プログラムで学んだ知識や経験を、職場で普及することを期待されている。
 通常は4日間のセミナーであるが、現地の要望により [1]グローバル化と労働組合の役割[2]、フィリピン経済と企業の中核的労働基準の遵守[3]、業務改善・収益向上につながる5Sと改善活動、[4]団体交渉と公正な利益配分――などを5日間に再編して実施した。
 基調講演では、JILAF・團野専務理事は、「現在のグローバル化とは、さまざまな経済指標が示すように、アジアの再興をもたらすものであり、フィリピンその他の周辺国が一緒に経済成長を果たす時代になっている。フィリピンで起こっている経済成長の実態は、資本や技術を持つ先進国の多国籍企業に依存する部分が大きい」とフィリピンの現状を分析し、「このような背景から、フィリピンにおける労働者の生活条件の向上には、生産性向上を軸とした多国籍企業の成長と、労働者への公正な利益の配分を通じた持続可能な経済成長の流れを作る必要がある」と強調した。
 また、参加者はマニラ市郊外にあるTAHANANG WALANG HAGDANAN(「階段のない家」)という障害者支援団体の車椅子製造工場を視察し、工場における5Sパトロールの実践を通じて、実際の整理・整頓・清掃および「改善」の方法について実習を行ない、理解を深めた。
 参加者からは、「今後、生産性向上を労使協力で推進するための労使協議の場を設定したい」、「建設的な労使関係とは、労使共に成長することだと分かった」などの意見が聞かれた。今後、労働者の生活水準の向上のため、生産性向上を軸とした建設的な労使関係の構築が職場で普及することを期待したい。

日程

月日内容
07月23日セミナー1日目(グローバル化と労使関係、労働組合の役割)
07月24日セミナー2日目(CSR、生産性の意味、5S・カイゼンなど)
07月25日セミナー3日目(工場訪問、5Sの実践)
07月26日セミナー4日目(生産性と公正配分、模擬団体交渉)
07月27日セミナー5日目(使用者との対話、行動計画策定)

参加者の様子

5S・改善に関する講義の様子

5S・改善に関するグループワークの様子

5Sパトロールの様子

車椅子製造工場にて

改善提案の様子

模擬団体交渉の様子