タイITUC-TC/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーを開催

チャチュンサオ県IRセミナー集合写真

7月7日および9日、国際労働財団(JILAF)はITUCタイ協議会(ITUC-TC)と共催で、労使関係・労働政策セミナーを開催しました。このセミナーは、7月7日はチャチュンサオ県、9日はバンコク都で開催され、ITUC-TC傘下の4つのナショナルセンター、主要産別組合(日系事業所組合)役員、労働省、使用者連盟代表など、2日間で合計116名が参加しました。

 7月7日のチャチュンサオ県セミナーでは、冒頭、小山JILAF参与、プラモート労働省労使関係局長、ガーンITUC-TC事務局長代理(TTUC事務局長)、ロムサイECOT(タイ経営者連盟)アドバイザー、鷹合在タイ大使館一等書記官、須藤ILOアジア太平洋地域事務所技術指導官兼総合調整官から、本セミナーの開催が有意義であり、本セミナーをきっかけに健全な労使関係の構築及び労働者の地位向上・生活改善の実現に向けた一歩となることを期待するなどの開会あいさつがありました。
 続いて、小山JILAF参与から、日本の労働組合の役割と課題について、建設的労使関係の構築と無用な労使紛争の未然防止、雇用安定の取り組みを中心に、その歴史的経過を含め共有しました。参加者から、①労働委員会の三者構成における公益委員の役割や選定基準、②生産性三原則における公正分配の判断基準、③日本の非正規労働者の不安定雇用に対する対策等に関する質問があり、現状と今後の方向性等について小山JILAF参与が回答しました。
 その後、参加者の経験発表において、①使用者が労働協約を遵守しない場合の対応、②ロックアウトへの対応・解決策、③日系企業組合において、正式な要求書提出前に会社側と事前協議を実施して要求内容を整理するなど、日本の労使関係を参考に健全な労使関係の構築努力を継続していること等について経験交流が図られました。また、「健全な労使関係構築に向けた取り組み」及び「無用な労使紛争の未然防止」をテーマに、グループ討議を行いました。各グループから、建設的な労使関係を構築するためには、①労使が相互に尊重しあい、信頼関係を醸成することの重要性、②経営情報の公開等、経営の透明性の確保の必要性、③情報共有に併せて定期的な協議・相談による労使間のコミュニケーションの改善の必要性について発表がありました。
 各グループからの発表に対し、関口JILAFタイ事務所長、タイ労働省、ECOTからも適宜コメントしました。最後に、小山JILAF参与から、労使が対等で相互信頼に基づいた関係を築く上で、労働組合自身が真に労働者代表として使用者から認知されることが重要であり、そのために組合リーダーは、職場の組合員とのコミュニケーションを常に密にし、意見・要望等にしっかり耳を傾け、組合員の総意を集約して使用者に対峙することが大事であると補足して、閉会しました。

 7月9日バンコク都における本セミナーでは、小山JILAF参与、プラモート労働省労使関係局長、ガーンITUC-TC事務局長代理(TTUC事務局長)、ウクリットECOTアドバイザー、鷹合在タイ大使館一等書記官、須藤ILOアジア太平洋地域事務所技術指導官兼総合調整官から、本セミナーの開催が有意義であること、本セミナーをきっかけに健全な労使関係の構築及び労働運動の強化、社会対話の強化に向けた一歩となることを期待する等の開会あいさつがありました。
 続いて、小山JILAF参与から、7日のチェチュンサオ県セミナーでの講演内容(日本における労働組合の役割と課題)に加えて、日本の社会保障制度及び働き方改革法の概要についても共有しました。参加者から、①労働組合への経理補助禁止と組合財政、②使用者の団交拒否、③雇用保険の具体的給付内容、④高齢社会における年金制度の持続可能性、⑤出生率の向上対策等に関する質問があり、現状と今後の方向性等について小山JILAF参与が回答しました。
 その後、「建設的な労使関係の構築に向けた取り組み」及び「労働組合が一致して取り組むべき社会的・経済的課題」についてグループ討議を行いました。各グループは、建設的な労使関係の構築には①労使が相互に尊重しあい、密にコミュニケーションをとることの重要性、②経営情報等の共有した上での労使間の協議、交渉の必要性、などが強調しました。労働組合が一致団結し、協力して取り組むべき課題としては、①社会保障制度の改善、②ILO条約批准問題、③時代遅れとなった労働法の改正問題などが挙げられました。各グループの発表に対して、関口JILAFタイ事務所長、労働省、ECOT、鷹合一等書記官から適宜コメントしました。最後に、小山JILAF参与から、各グループが共通して指摘した労使の信頼関係を構築するため、労使間はもとより組合内部でのコミュニケーションを密にすること、様々な社会問題に取り組むため労組間および政労使の枠組みで、関係者の議論が深まることを期待することなどを補足し、セミナーを終了しました。

日程

月日内容
07月07日セミナー1日目(会場:チャチュンサオ県)
07月08日セミナー2日目(会場:バンコク都)

参加者の様子

小山JILAF参与の講義(バンコク)

プラモート労働省労使関係局局長挨拶(チャチュンサオ)

鷹合在タイ大使館一等書記官挨拶(チャチュンサオ)

須藤ILOアジア太平洋地域事務所技術指導官兼総合調整官挨拶(チャチュンサオ)

グループ討議の様子(チャチュンサオ)

バンコクIRセミナー集合写真(バンコク)

ガーンITUC-TC事務局長代理挨拶(バンコク)

ウクリットECOTアドバイザー挨拶(バンコク)

グループ発表の様子(バンコク)