スリランカCWC/NTUF/SLNSS労使関係・労働政策セミナー

スリランカCWC/NTUF/SLNSS労使関係・労働政策セミナーを開催

 10月12日~13日スリランカ・コロンボ、10月15日ヌワラエリアにて、スリランカCWC/NTUF/SLNSS/JILAF労使関係・労働政策セミナーを開催した。

 コロンボにて開催したセミナーでは、同国の伝統儀式(Lightning of Tradtional Oil Lamp)後、齋藤副事務長よりITUC-AP加盟3組織合同による今次セミナーの意義深さについてあらためて触れた後、開会の挨拶した。

 次に、スリランカ政府を代表してウィマラヴェラ労働長官、使用者団体(EFC)を代表してプラサド・ダ・シルバ副事務総長、労働側を代表してアルンサミCWC副会長(元国会議員、元ヌワラエリア県教育長官)、パドマシリNTUF事務局長およびレスリーSLNSS事務局長より、JILAFおよび日本国政府の継続的支援・協力に感謝の意などが表された。
 
 労働側代表は各ナショナルセンターが直面する課題(結社の自由の一部地域における制限、グローバル化に伴う対立的労使関係のさらなる顕在化、雇用の柔軟性を重視する労働法改正の動き、インフォーマル経済の増幅等)を披瀝、スリランカ社会・経済の発展に向けては、「今次セミナーで建設的労使関係や雇用安定の取り組みなど、日本の経験に学ぶことは極めて重要」と挨拶した。

 全体講義1として、齋藤副事務長より「日本の建設的労使関係と無用な労使紛争の未然防止」を主眼とする講義を行ない、
①日本の労働組合の成り立ち
②日本の労働組合の現状
③日本の労働組合の機能と役割
④インフォーマルセクター労働者を含む権利保護および地位向上に向けた労働運動の糾合と結集
⑤職場組合員との信頼強化と労使による当事者意識を持った労働環境改善や雇用安定の取り組み
等について概説し、「グローバル経済の発展とともに複雑化する労使関係に対応するためには、成熟した日本の労使関係(労使協議による協力と団体交渉による対立を調和的に配置)や経験をぜひ参考にして頂きたい」と述べ、健全な労使関係の構築等に向け参加者を後押しした。

 全体講義2として、使用者団体(EFC)プラサド・ダ・シルバ副事務総長より、「使用者から捉えたスリランカ労使関係の特徴と課題」と題するプレゼンテーションがあった。

 全体講義3として、ウィマラヴェラ労働長官より、「政府から見たスリランカ労使関係の特徴と課題」と題するセッションがあった。

 その後、上記セッションを踏まえ、参加者は出身ナショナルセンター毎に3会場に分散し、マリモトゥCWC第一副会長、ナワラトナNTUF顧問およびムラシンゲSLNSS事務局長代行をそれぞれ進行役に、「スリランカ労使関係の課題、建設的労使関係の構築と雇用安定(Job Security)に向けて」をテーマとする双方型講義が展開された。

 2日目はナショナルセンター毎に「建設的労使関係の構築に向けて」と題するグループ討議が行われた。
 
 その後の各ナショナルセンターからの発表では、「建設的労使関係の構築には、競争力確保のための生産性・品質向上への貢献を通じた使用者との信頼関係の構築が不可欠」「グローバル化により労使関係が複雑化する中にあって、日本的労使関係の構築こそが労使双方にとって有益である一方、使用者側の労働組合軽視姿勢・怨嗟がスリランカの課題」との意見が出されたことから、齋藤副事務長より日本の生産性三原則等を再度共有しつつ、労使信頼関係に基づくWin-Winサイクルの実現や社会対話の有用性等を補足し、本セミナーを閉会した。

 ヌアラエリアにて開催したセミナーでは、同じく伝統儀式(Lightning of Tradtional Oil Lamp)の後、本IRセミナーがヌワラエリアでの初の開催となることから、齋藤副事務長が初開催を実現した関係者に敬意を払った上で、開会挨拶をした。
 次に、シヴァリンガムCWC会長(前経済開発副大臣、現国会議員、JILAF招へい事業参加者)より、JILAFおよび日本国政府の継続的支援・
 協力に対する謝意等が表された。

 セッション1として、齋藤副事務長は、労使の衝突が多く報告されている同地の環境をふまえ、「日本の建設的労使関係と無用な労使紛争の未然防止」を主眼とする講義を行ない、生産性向上への貢献等を通じた労使信頼関係の醸成と社会対話の重要性などを強調した。

 その後、CWCから各種講義があった後、参加者は2班に分かれ、「建設的労使関係の構築と無用な労使紛争の未然防止」をテーマとしたアクションプランを策定した。
 
 全体発表では、国内総生産の約2割強を占めるプランテーション(紅茶・ゴム・ココナッツ)農園労働者を組織するCWCの特色が色濃く現れた。具体的には、
①ケニア農園における機械化・生産性向上等を受け、安価で高品質な茶葉がグローバルマーケットで台頭していること
②茶葉の主要輸出先であるイラン、イラク、シリアなど、中東情勢の不安定化などがもたらす負の側面(雇 用減少・労働条件の事実上の引き下げ)
③使用者の労働組合に対する不誠実な姿勢と労使紛争
④若年層のプランテーション農園離れ
等に関する共有があった。

 これらをふまえ、日本の経験に学びながら農園従事者の生活を向上していくためには、
①競争力確保のための生産性・高品質化への貢献
②誠意と敬意を払い合う労使信頼関係の構築
③現場労使による当事者意識を持った話し合いによる改題解決
―などの提案があったことから、齋藤副事務長よりJILAFとしての見解を付与し、本セミナーを終了した。







日程

月日内容
10月12日セミナー1日目(コロンボ)
10月13日セミナー2日目(コロンボ)
10月14日
10月15日セミナー1日目(ヌワラエリア)

参加者の様子

コロンボ使用者講義

コロンボ労働省講義

コロンボ分科会NTUF

コロンボ分科会SLNSS

コロンボ分科会CWC

コロンボ行動計画策定

コロンボ行動計画発表

ヌワラ集合写真

ヌワラCWC会長挨拶

ヌワラJILAF講義

ヌワラ労働裁判の講義

ヌワラ参加者質問