労使紛争未然防止セミナーを開催

主催者あいさつ

2016年8月9日、労使紛争未然防止セミナーを開催し、インドネシアと中国の現状について報告を受け、質疑応答を行った。各国報告の概要は以下の通り。

セミナー資料1
セミナー資料2

【各国報告1:Mr.ヘリヤント氏 インドネシア労働組合総連合(CITU)インドネシア金属産業労働組合連盟(FSPMI)副会長
 政府が昨年賃金規定となる第78号政令を発令したが、新政令の影響は、最低賃金の上昇を制限し、賃金審議会の機能の喪失させる内容である。賃金審議会での協議において労働組合の役割が消失することになり、ILO第98号条約にも反している。政府が同政令の撤回または改正を行わない場合、国内では紛争が継続することは確実である。
 企業側は労働組合と健全な労使対話を行うべきであり、CITUは健全な労使関係の実践に向けた教育と訓練などを実施している。

【各国報告2:アントニウス・J・スピット インドネシア使用者連盟(APINDO)副会長】
 インドネシアにおいては、現在も労働者によるストライキが多発し、場合によっては社会騒乱につながっている。
従来の最低賃金の決定プロセスには政治的な介入がしばしば行われ、州政府が決定する最低賃金額が中央政府の提案よりも高く、多くの経営者にとって支払い能力を超える水準となり、紛争の発生要因になっていた。新制度は課題を打開するものと期待している。
 APINDOは人的資源の活用を図るため、訓練センターを設置し、調和的な労使関係構築に努めている。
 インドネシアの社会保障制度は、国家予算とは別建てであり、賃金上昇とインフレによって、企業経営にとって大きな負担となっている。

【各国報告3:彭恒軍氏 中華全国総工会(ACFTU)ネットワーク部副部長】
 初めに、中華全国総工会(ACFTU)は、政府と一体となって労働者の権利擁護を実践していることを理解いただきたい。総工会は政府主導型の権利擁護システムに積極的に参加するという関係だ。その結果、先進国には及ばないが、中国の労働条件は飛躍的に向上している。
 労使紛争は年々増加しているが、政府が主導し、関係各部門と連携し、労働組合が率先して各部門との連携による調停に努めている。
 2015年度、全国総工会の労働争議調停委員会が受理した労働争議案件は25万8000件もあり、調停に成功した案件が14万5000万件、成功率は56.2%に達した。また、地域別・業種別の労働争議調停組織が受理した労働争議は15万2500件、成功した案件は10万7300件、成功率は70.36%と大きな成果をあげている。

【各国報告4:景春海氏 中華人民共和国駐日本国大使館経済商務部参事官】
 中国政府は今年3月に<第13次国民経済と社会発展5ヵ年計画>を採択し、2020年までに国民平均所得を2010年の2倍にするため、GDP成長平均6.5%以上を維持してゆく。そのための様々な経済改革を打ち立て実践している。
 我が国の規模からみても、依然として世界経済をけん引しており、そうした実態を見ていただきたい。
 海外からの投資では、日本がトップであり、中国人観光客も昨年に増して日本に多く訪れており、爆買いなど日本経済にとって良い影響をもたらしている。中国・日本の経済関係は依然として両国にとって大きな影響力を持っている。
 日本企業は、長期的な視点を持って積極的に中国に投資を行っていただき、その際はローカルな中国の文化を尊重した労使関係の構築にあたっていただきたい。

日程

月日内容
08月09日労使紛争未然防止セミナー

インドネシアの報告者

中国の報告者

セミナー会場の様子