ベトナム労使関係・労働政策セミナー

 国際労働財団(JILAF)は、12月7日、8日の二日間、ベトナム・ハノイにおいて、ベトナム労働総同盟(VGCL)との共催により、「労使関係・労働政策セミナー」を開催し、VGCLの地方連合役員や企業別労働組合の役員他、労働傷病兵社会保障省、ベトナム商工会議所(VCCI)の関係者など合計71人(うち、女性29人、日系企業労働組合役員14人)が参加した。JILAFからは、日本の取り組みや経験として、「労働関係立法と労働組合の関わり」ならびに「日本の社会保障制度と賃上げの仕組み(春闘など)」に関する講義を実施し、建設的労使関係の構築を通じた無用な労使紛争の防止や日系企業の雇用安定等に貢献した。
 JILAFからは、まず鈴木GLより、「労働関係立法と労働組合の関わり」と題し、日本における①労働組合と政策要求、②立法と労働組合、③政策提言、④立法への労働組合のアプローチについて共有した。これを受け、参加者からは、❶日本での地方連合会と産業別組合の連携の状況、❷連合と与党・野党の関わり、❸連合から企業別組合に幹部を出向させるか――などについての質問があったことから、JILAFより適宜答弁した。
 また、勝尾副事務長からは、「日本の社会保障制度と賃上げの仕組み(春闘など)」にかかる講義があり、①日本における春季生活闘争(春闘)について、②労働協約、③最低賃金制度、④集団的労使紛争解決システムについて説明があった。これを受け、参加者からは、❶賃上げ交渉時の産業別労働組合の役割、❷消費税引き上げと賃上げの関わり、❸日系企業進出時の連合の役割などについて質問があり、適宜答弁をした。
 このほか、労働傷病兵社会省からは、「グローバル化におけるベトナムの労使関係」をテーマに講義があり、グローバル化(TPPへの参加、AECの発足他)がベトナムの労使関係にどのような影響を及ぼすか等、政府の視点から共有があった。また、ベトナム商工会議所使用者からは、「外資系企業における労使関係」と題し、ベトナムへの外資系企業の進出状況や、日系企業含む外資系企業の労使関係について説明があった。このほか、VGCLから、「組織化/企業別労働組合の結成および新たなアプローチについて」と題し、「ボトムアップ・アプローチ」にかかる説明があった。また、日系企業における労働組合の事例紹介として、ビンフック省およびハノイ市の企業別組合幹部が建設的な労使関係構築に向けた活動に関する報告を行なった。
 最後に、講義や事例紹介を踏まえ、参加者は行動計画の作成/共有を行った。行動計画として、①質の高い労働協約締結、②民間企業ならびに外資系企業での組織化促進、③社会対話促進、④労働法の遵守に向けた取り組み、⑤グローバル化に対応した労働運動展開、⑥労働組合による政策立案への参加――などが共有され、これにJILAFならびにVGCLから適宜コメントし、2日間にわたるセミナーを終了した。
 現在ベトナムはTPP批准に向けて関係諸制度整備の途上にあるが、労働分野においても例外ではなく、労働組合・組合員の選択の自由、政府系組織以外の労働組合の合法化等への対応等に直面している。VGCLは、今後の組織拡大・強化や労働者の権利向上とともに、さらなる投資の呼び込みや、経済成長との両立にむけた諸課題の克服に取り組むこととなる。

日程

月日内容
12月07日セミナー1日目
12月08日セミナー2日目

参加者の様子

開会挨拶

JILAFによる講義

活発な質疑応答