アジアの新聞から

バングラデシュ

児童労働はどのようなサプライ・チェーンにもあってはならない~児童労働反対世界デーに際しILOが声明~

 2016年の児童労働反対世界デー(6月12日)は、児童労働とサプライ・チェーンに焦点を当てたものとなった。児童労働反対世界デーに際して発表した声明で、ガイ・ライダーILO事務局長は、「児童労働はよく機能したりよく規制された市場にあり得ないし、どのようなサプライ・チェーンにもあってはならない」とした上で、昨年国連で採択された持続可能な開発目標 で、児童労働に完全に終止符を打つためには今行動を起こさなくてはならないとのメッセージが確認されたことに注意を喚起して、「仕事の未来を児童労働のない未来に変える手段は共に行動する私たちの手の内にある」と訴えた。

 貧しいバングラデシュの子どもたちが食べるため、家族を助けるために働いている。11歳のアル・アミンと彼の友人たちは1日10時間、週6日働いて、アルミシートを切り出し、ボールや皿の中へすりつぶしている。彼らは一日数ドルが必要で、バングラデシュの首都ダッカのスラムで家族を養い、食費を稼いでいる。「学校で勉強したい」アル・アミンは言った。彼は金属の粉じんにまみれ、カラマンギルチャー近郊のアルミニウム工場地帯にある工場で保護用具なしで働きながら、息をついた。「でも父が死んだし、ほかに道はない。僕は働かなくてはならない。」

 多くの子どもたちが、都市の外側にある農場を維持しようともがく家族に送金するため働かざるを得ない。病気の親の医療費を払うために働かなくてはならない子どももいる。また、デルタ地帯の低地の村を襲った洪水から逃れ、ダッカのスラムにたどり着いて仕事が必要な子どももいる。

 ILOによると、世界中で5歳から17歳の1億6800万人の子どもたちが働いている。こうした子供たちの多くが、当局の目に触れないインフォーマル・セクターで働きながら、製品を製造し最終的には世界中の市場で売られていると、国連は言っている。

 世界中に広がる貧困の産物である児童労働は、児童の権利運動家であるパキスタンのマーララ・ユセフとインドのカイラシュ・サティアルティがノーベル平和賞を受賞した2年前から注目されるようになった。

ジャカルタ・ポストより

インドネシア

インドネシアはドイツから職業訓練を学ぶ

 インドネシアは教育部門、特に職業教育の強化のためにドイツと協力する計画だ。教育部門での協力は、インドネシアのジョコ・ジョコウィ・ウィドド大統領のドイツ訪問のメインテーマだ。

 職業教育は今日の市場のニーズに応えるために、明らかに必要なことだ。職業教育は人口ボーナス期にあるインドネシアのために貿易や工業、エンジニア、経理、保育、医療、建設、法律など様々な部門で働くことを準備するものだとレトノ・LP・マルスディ外務大臣は語る。

 さらにレトノ大臣は、インドネシアの人口の50%以上が30歳未満であり、「職業教育の強化を進めることで、疑いなく政府は民間部門とのパートナーシップを結ぶことになる。教育部門におけるドイツの成功のカギは民間部門と政府間のパートナーシップだ」と付け加えた。

 教育分野での協力を強めることはインドネシアにとって特に重要だ。今年からアセアン経済共同体(AEC)ができて、厳しい競争に直面しているからだ。「職業のある分野におけるわれわれの技能と専門知識を高めなくてはならないし、この一面が職業訓練の強化だ」と、大臣は語った。

 つづいてファウジ・ボウォ在独インドネシア大使は、記者会見でドイツの教育システムについて説明し、「インドネシアの若年層の技術は改善されなければならない。そのためには、民間部門とのパートナーシップの構築が必要である。民間企業が使える労働力を養成することで将来のインドネシア経済の支えとなる」と述べた。

ジャカルタ・ポストより

東チモール

東チモールがマレーシアにメード派遣を計画

 「インドネシアがマレーシアへのメード派遣を凍結するなら、東チモールがメード派遣する」ホセ・アントニオ・アモリム・ディアス在マレーシア東チモール大使は、マレーシアにメードとして働く労働者を現段階で5万人まで供給できると表明した。

 東チモールは英国や韓国にも労働者を派遣している。「協定が結ばれた後にわれわれが韓国とおこなったのは、韓国側から代表が東チモールに送られ、労働者に言語や文化、仕事の範囲について教えることだった。マレーシアでも同様に、東チモールの労働者の訓練のためにマレーシアの代表を送っていただきたい」とアモリム・ディアス大使は付言した。

 インドネシアが来年から海外でメードとして働く女性の派遣を強固に停止すると、マレーシアはメード不足に陥ることが予想される。国民の利益を守るために海外でメードとして働く人々の派遣を停止するという「家内労働者ロードマップ2017」に基づいてインドネシア政府が表明した一連のことから今回の動きになったといわれる。

 「これ以前に、マレーシア政府と東チモールのメードの件で議論はあった。しかし今まで発展はなかった。「東チモール人はインドネシア語を話すので言葉の問題もなく、マレーシアにおけるコミュニケーションも平易である」ディアス大使は、双方の国がよい関係を保てることを考えると、マレーシアにメードとして働く労働者を送ることを東チモールは歓迎すると述べた。

 マレーシア外国人メード協会のジェフリー・フー会長は、約15万人の外国人メードがマレーシアにおり、そのうち5万人がインドネシアから来ていると、記者団に言っている。

「ニュー・ストレイト・タイムズ」より

マレーシア

マレーシア経営者連盟来月の最低賃金引き上げ、対応できず

 マレーシア経営者連盟(MEF)のシャムスディン・バルダン理事長は、国内の多くの企業が経済低迷により、7月からの法定最低賃金引き上げに対応できないとの見方を明らかにしたと28日付スター紙が伝えた。

 同理事長は「国内企業はコストの吸収に取り組んでいるものの、政府方針に合わせた賃金引き上げは避けざるを得ない状況だ」と指摘。最終的に雇用者側は人員を削減するしかなくなり、労働者にも悪影響を及ぼすものになると語った。

 政府は今年7月から、法定最低賃金をマレー半島でこれまでの900リンギ(約2万2,500円)から1,000リンギ、東マレーシア(サバ・サラワク州と連邦直轄区ラブアン島)で800リンギから920リンギに引き上げると発表。2013年1月に最低賃金制度を導入してから初めての改定になる。

 マレーシア建設協会(MBAM)のマシュー・ティー会長は、「据え置きであれば問題はないが、既に充分な支払いをしている中での引き上げは受け入れがたい」として難色を示している。

 政府は2020年の先進国入りを目指し、最低賃金を1,500リンギまで引き上げる計画を明らかにしている。13年の制度開始時も国内の多くの企業が反発し、実際の導入に時間がかかったことから、今回も完全な浸透には時間がかかるとの見方もある。