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アセアン

アセアン間の整合的で一貫した移民政策の必要性

 労働者の国際間移動を自由にすることは、本当にその国の利益につながるのだろうか。  2009年、アセアン経済共同体の中で広く知られているアセアン相互承認協定(MRAs)が導入された。アセアンメンバー国すべてにおいて受け入れられた8つの職業における自由な移動である。高い技術を持った労働力の提供のためのものだ。

 しかし、MRAsは実際にはアセアンの労働者の1%にしか適用がなく(「2014年ILOとアジア開発銀行による調査」)、アセアン事務局もアセアン地域の主な労働者は中程度もしくはインフォーマルセクターでの低レベルの人々であることを認めている。

 国際移民組織(IOM)のナネット・モトス地域部長は、国際間移動の課題の一つはそういった中程度もしくはインフォーマルセクターでの低レベルの人々の保護と社会保障の不足だという。多くの非熟練労働者は社会保障システムから除外されている。

 一つの理由は彼らのインフォーマルセクターでの地位であり、故国や移民先の国々によって供給される社会的保護へのアクセスができないことであり、特に女性移民労働者の多くが家事労働に集中しているが、家事労働は労働分野との認識が弱く、労働者保護の度合いは薄い。「このことが移民家事労働者の脆弱性を増し、搾取や虐待、人身売買といった問題を生んでいる」とモトス部長は説明する。

 2007年、アセアンはセブ宣言に同意した。アセアン域外・国からの移民労働者の基本的取り扱いとしての移民労働者保護と促進についての合意である。セブ宣言から10年以上経つにもかかわらず、高い技術を持った労働力の提供のためのMRAsは合意したにもかかわらず、アセアンメンバー国はいまだに移民労働者の権利保護のための具体的な方策に合意できていない。「移民の脆弱性や地位の合法化の難しさを解決するためには整合的で一貫した移民政策が課題だ。」とモトス部長は語る。

「ジャカルタポスト」より