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No.472(2017/9/1)
インドネシア鉱山スト続報

 メルマガNo.461(2017/7/4)で米国企業フリーポートインドネシア社グラスベルグ鉱山で、4220人の解雇と同社の関連会社PT Smeltingでの300人の解雇に伴う労使紛争が泥沼化、インダストリオールが調査団を派遣すると報じた。
 インダストリオールニュースによると、その調査団はインダストリオールの幹部と傘下加盟組織のオーストラリア(AWUおよびCFMEU)、オランダ(FNV)、北米(USW)および南アフリカ(NUM)の指導者により構成され、2017年8月8-11日現地に派遣された。

 調査団はインドネシアの組合CEMWU SPSI、FPE SBSI、FSPMI、人材省、エネルギー鉱物資源省、そしてPT Freeport社の経営陣と鉱山に出資しているRio Tintoの代表と会ったが、PT Freeport社の関連精錬企業PT Smeltingの経営は面会を拒否した。注

 調査団は解雇された労働者と面接し、8月11日の調査団の声明にその深刻な証言を次のように掲載した。「労働者を解雇した後、会社は強制的に社宅から労働者を追い出し、会社の病院や会社の学校への利用を拒否し、地元の銀行と協力して労働者の信用付与を制限している。医療受診を拒否され、何人かの労働者とその家族が死亡したという悲惨な報告を受けた。住宅を失った労働者の多くはテントや組合のオフィスに住んでいる」

 更に声明では「PT Freeport社とPT Smelting社は非人道的態度で労働者を解雇した。PT Smelting社は労働組合が裁判所で係争している間は対象労働者の賃金や社会保険料などは未支給としている。この点、自治体人材省の支給要請など無視している。また何回となくFSPMIが解決への交渉を申し入れたが拒否している。FSPMIの報告によると、裁判所での労働者の扱いはテロリストよりひどく、火器や催涙弾を装備した警察官が周りを固めている。これらの行動は明らかにILO条約で認められている労働基本権である団結権、団体交渉権、スト権に違反している」と述べている。
 8月9日に持たれた人材省、エネルギー鉱物資源省との会合で調査団は所轄官庁が解決に向けての更なる努力を要請した。
 又、調査団はPT Freeport and PT Smelting にただちに解雇された労働者を職場に復帰させることを要請した。

 インダストリオールサンチェス書記長は「このケースは単なる労働争議やスト権を侵害するといった問題でなく人権そのものの危機だ。PT Smelting社は6か月もの長い間、労働者に賃金や社会保険料などを支給ぜず、その家族は困窮している。PT Freeport社はスト参加者や家族そしてコミュニティに深刻な害を及ぼしている。このようなことは続くわけがない。両社は早急に労働者を職場に復帰させ、これ以上被害が拡大する前に、交渉の席に着くことを要請する。当面、全世界のインダストリオール加盟組合が両社に圧力を加え、労働者を支持することを話し合ってみたい」と述べた。

注、PT Smeltingの出資社は日本の三菱が主体で、PT Freeport社は25%出資している。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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