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No.468(2017/8/1)
ミャンマーの労働事情

 7月7日に行なわれたカンボジア・ミャンマーチームの労働事情を聴く会から、ミャンマーの労働事情について報告する。

【ミャンマーの経済状況、労働組合が直面する課題】
 ミャンマーの成長率は、2015年は7.29%。16年は6.3%、17年には7.51%の見通し。物価は2015年は10.01%。16年は7.0%、17年には6.9%の見通し。失業率は、15年が0.8%、16年が0.8%と改善してきている。
 最低賃金について2015年には月額3万チャット、2016年には月額4万チャットで、2017年には月額4万チャットの見通しです。法定労働時間は1日8時間労働で週では44時間もしくは48時間(工場によって異なる)。時間外、休日労働手当はともに100%。ミャンマーでは、外国人の投資が幅広く行われているが、外国人が投資することにより、従来の性能の低い機械のかわりに、高性能の機械に切りかえることによって人員削減がすすみ、失業者、また職業不安定で保障のない職が生じている。
 一方で、社会保険制度により支払われる金銭を政府から受け取るまでにかなり時間がかかるという問題がある。病気休暇、出産休暇、一時的な障害の病気休暇、生涯障害休暇、また、治療費用などを政府から支払われるまで、3カ月から1年かかる。

【労働法について】
 労働法は未だ形成中であり、労働者への保護が十分でないが、2011年の労働組合法制定以降、労働組合が設立され始め、基礎、郡区、地域、連合、全国的総連盟まで段階的に設立された。現在、郡区段階での労働組合オフィスを開設したり、また、使用者・労働者間の紛争解決、使用者の法律違反行為や安全確保に関する事柄等について執り行っている。
 ミャンマーでは、労働法に違反すると実刑を受けることはなく、罰金のみの処分となるため、雇用主は法律違反をおそれない。最大の問題は労働者のための裁判所がミャンマーに存在しないことである。労働法を十分に理解し解決できる法律専門家、弁護士が少ないことも原因の1つであるが、職場と労働者法調査委員会の職員の数も不足しているため、職場での調査が行き届いていない。労働組合からの通報によって調査を行っているのが現状である

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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