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No.461(2017/7/4)
泥沼化するインドネシア鉱山スト

 米国企業フリーポートインドネシア社はグラスベルグ鉱山でストライキ中の労働者4,220名を解雇すると発表した。ストに参加した労働者は自己都合退職したとみなされた。インダストリオールは3か月にわたるストライキにインドネシア政府が介入するよう強く求めている。
 インダストリオール傘下で鉱山産業のグローバル組織である化学・エネルギー・鉱山労働者組合(CEMWU)は、7月30日まで第2回のストライキの延長を発表した。7月10日にインドネシア全労働組合連盟は記者会見を開き、ストライカーに対する全国的な支援を確認する。
 労働組合は、パプア州下院における地方政府の支持を得ている。パプア州知事は、フリーポート社に解雇された労働者の解雇撤回を公式に呼びかけた。地方政府は、調停会議を開催し、状況を解決しようとした。しかし、フリーポートは2回の会議出席依頼に応答せず、6月20日に開催された会議に出席しなかった。今、3回目の招請状が発送されようとしている状況だ。
 インダストリオールは、8月上旬にインドネシアへの高レベルのミッションを計画している。それには、鉱業および素材金属部門からの関連組織からの代表者も参加予定である。代表団は、破壊的な紛争を解決するために、インドネシアの政府代表、地方自治体、企業、組合、地域社会団体と会うことを予定している。ミッションは、300人以上の労働者が解雇されたフリーポートと三菱の合弁会社である下流操業のPT製錬所における紛争にも焦点を当てる。
 インダストリオールは、インドネシア政府に対し、合法的なストライキ行動を実行したフリーポートの労働者の解雇に対して確固たる立場をとるよう求めている。インドネシアはILOの中核となる条約を批准しており、経営側の行動はインドネシアの労働基準に反する。

 インダストリオールは、6月にジュネーブで開催された国際労働者会議で、インドネシア政府の代表と会談した。同会議でケマル・オズカン事務局次長は「我々は4000人以上の労働者の違法な解雇に起因するコミュニティ内の社会的・経済的問題を防ぐために、インドネシア政府はグラスベルグ鉱山に介入するよう呼びかけている。インドネシア政府は基本的労働者の権利を守りフリーポイントインドネシア社の非人道的かつ非妥協的な姿勢の結果として勃発する可能性のあるあらゆる暴力を防ぐために介入しなければならない」

 インダストリオールは、同社がこの紛争を51%の持ち株を要求している政府との交渉戦略として利用するのではないかと考えている。同社は労働組合を解体し、労働力を思うままに使おうとしている。同社は生産が増加すると、解雇された労働力を請負業者に置き換え、コスト削減につなげる意図のようだ。

注、労働争議の発端
米フェニックスを拠点とするフリーポート・マクモラン(FCX)の現地子会社であるPTフリーポート・インドネシアは、輸出承認をめぐるインドネシア政府との長期にわたる紛争を経て、コスト削減のために労働者の約10%に一時帰休(長期休暇)を取らせた。フリーポートは常用労働者1万2,000人、契約労働者2万人を雇用している。この鉱山の労働者は5月1日、会社側の一時帰休方針は労働協約違反としてストに入った。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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