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No.440(2017/2/17)
トランプ大統領が初めて労働組合幹部と会談

 1月21日のトランプ政権誕生で労働界に緊張が走る中、大統領が大工、建設、バス運転手、溶接工労組の数人の幹部と会談した。大統領は冒頭、「TPPからの離脱を決め、多くの労働者に雇用を取り戻す」と述べ、拍手を受けた。
 全米大工友愛労組(UBC)のマッキャロン会長は大統領の就任演説を称賛して「失業労働者に勇気を与えた」と述べたが、そのあとマスコミ関係者が退場して労組幹部だけとの会談となった。
 その後について、北米建設労組(NBTU)のマクガーベイ会長は「大統領は米国のインフラ整備、特に橋梁、学校、病院、石油パイプライン建設に雇用を増やすと述べたが、よい話だった」と語った。

 トランプ大統領は過去20年間に500万人の雇用を失った製造業、ラストベルト地帯からの強い支援を得て当選を果たした。選挙中の約束だったキャリアー空調会社のメキシコ移転計画について、それを撤回させた。一方賃上げを求める労働組合とは衝突した。
 キャリアー社については、鉄鋼労組ローカルのジョーンズ委員長が「トランプは取り戻した雇用の数を誇大に上乗せした」と指摘したのに対し、大統領はツィッターで委員長を中傷し「この委員長の仕事は酷いものだ。会社が逃げるのも無理がない」と応答した。
 しかし委員長の指摘は正しく、トランプの言う1,100名は実際には800名であった。AFL-CIO のトラムカ会長は「ジョーンズ委員長への攻撃は全労働者への攻撃と同じだ」と委員長を擁護し、アメリカ通信労組(CWA)のコーヘン前会長も「委員長バッシングにはむかつきを覚える」と批判した。

 昨年12月にトランプは労働長官にファスト・フッド・チェーン、ハーッディ&カールズのパツダー社長を指名したが、彼の会社は同業の中でも差別訴訟が多い。1年前には労働力をロボットに代替えすると発言し「ロボットは礼儀正しく、売上を上げ、休暇も取らず、遅刻もしない。失敗もなく、年齢や性別、人種差別もない」と報道に語ったが、労働関係者からは「従業員より利益を大切にする反組合の人物」と評されている。
 トランプはまた、組合費納入を従業員の自由意志とする”労働の権利法“の主張者でもあるが、その法律は今や27番目となるケンタッキー州でも採用され、労働組合弱体化の原因ともなっている。
 その中で、マクガーベイ建設労組会長は「ジョーンズをめぐる議論やパツダー労働長官、労働の権利法などの問題はあるが、大統領の経済政策は支持する。本気でアメリカ・ファーストを実現しようとしており、彼の政策には本当に勇気づけられる」と語る。

トランプ大統領が“製造業雇用協議会”委員に経営者と労組幹部を指名

 トランプ大統領は27日、製造業雇用協議会を立ち上げると発表して、委員に各企業経営者及び労働組合幹部を指名した。委員のうち著名な者は次のとおりである。

 デル・テクノロジーズ;デルCEO、 ワールプール家電;フェッティグCEO、フォード自動車;フィールドCEO, メルク製薬;フレイジィアーCEO、ジョーンソン&ジョーンソン;ゴースキーCEO、 ユナイテッド・テクノロジーズ;ヘイズCEO、ロッキード・マーチン;ヒューソンCEO、ジェネラル・エレクトリック;イメルトCEO、インテル;カーザニックCEO、ダウ・ケミカル;リベリスCE、USスティール;ロンギCEO、キャンベル・スープ;モリソンCEO、ボーイング;ミュイレンバーグCEO、テスラ・モーターズ;マスクCEO、キャタピラー;オーバーヘルマン前CEO、インターナショナル・ペイパー;サットンCEO、3M;チュリンCEO、AFL-CIO;トラムカ会長、AFL-CIO;リー事務局長補佐。

 総員28名だが26名が企業経営者、労働組合からは2名となっている。GM、クライスラーの名前はない。またメキシコ移転で話題となったキャリアー空調会社の親会社、ユナイテッド・テクノロジーズの名前が見える。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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