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No.437(2017/2/2)
コロンビア内戦終結へ労働組合の支援

 50年間にわたる内戦で深い傷を負ったコロンビア社会を癒すため、労働組合は一度は否決された和平実現に向けて支援することを決めた。

 政府、右翼民兵組織とゲリラコロンビア革命軍(FARC)との紛争を終わらせるために、ファン・マヌエル・サントス大統領率いる政府は2012年にFARCリーダーと平和交渉を開始した。2016年9月、潘基文国連事務総長、ジョン・ケリー米国務長官、ラテンアメリカの十数人の指導者の立ち会いの下、サントス大統領、FARC指導者ティモレオン・ティモチェンコ(Timoleon "Timochenko" Jimenez)は平和協定に調印した。皆が望んでいた永続的な平和を達成したことで、サントスはノーベル平和賞を受賞した。

 交渉の間、永年力の対決をしてきたコロンビア前大統領アルヴァロ・ウリベは平和協定に反対したが、サントス大統領は10月に国民投票を実施した。投票では健全な大多数の世論が支持するとみられたが、37.4%という低投票率の結果、50.2%の過半を超える投票で、条約の衝撃的な拒絶となった。コロンビア政府とFARCは、和平合意が否決されたにもかかわらず、戦争に戻らないと発表した。修正された平和条約が交渉され、新たな合意が公表され、これが議会で議決された。

 紛争の根源は、コロンビアの民間企業によるアグリビジネスの開発のため、農家が農地から排除されたことであった。リベラルな大統領ホルヘ・エリエセル・ガイダンの暗殺後、市民同士の政治的暴力とコロンビア政府による村への攻撃が続いた。1964年発足したFARCの本来の目的は、暴動と革命を引き起こすため、短期間の鋭いゲリラ活動であった。ところがこの紛争は半世紀にわたり残酷な麻薬戦争に陥り、1990-1994セサル・ガビリア・トルヒョー大統領のもとで準軍事組織が創設され紛争はエスカレートした。2002年から2010年のアルバロ・ウリベ政権下での恐怖の時代は、農村地域、労働組合、社会活動家、ゲリラにとって暴力的な時期だった。ウリベはCIAの支援を受け、死の狙撃隊を雇い、数千人の死者を出した軍事組織や自衛軍事組織を訓練した。

組合の平和構築への運動

 コロンビアの労働組合運動は、平和を構築するために懸命に戦っており、社会を変革する歴史的にも柔軟な正義そのものだ。労働組合Central Unitaria de Trabajadores(CUT)の本部のファビオ・アリアス・ジラルドは、コロンビアの右よりで極端な分極化の故に平和協定が拒絶されたと信じている。「コロンビアの政治的分極・分断は非常に強く、投票はこの分極の結果である。この国では社会のさまざまな分野で強い反動勢力が存在し、残念なことに、これがその結果です。これは起こる可能性がないと信じていたが、それは起こった。それはウリベで始まった右シフトに符合する。13年前、彼は政治的暴力が渦巻いていた国の分極化に手を付け始め、多くの人が犠牲になった」

 ジラルド氏は、低い投票率と平和交渉への熱意の欠如は、どちらの当事者も国民に人気がない結果と主張する。
 「合意に署名した当事者双方は、国民の大多数にあまりよく知られていません。そして、FARCが生み出した政治的暴力と政府の市民社会へのすべてのお粗末な政策に国民の多くが反対している。残念ながら、ウリベは欺瞞的な発言をしました。彼は暴力がどれほど有害で、犠牲者にとって何を意味していたのかを強調し、数多くの宗教的要素をも加味した。この組み合わせは、コロンビアの平和協定を支持する機会に非常に破壊的となり、私たちを打ち負かした」

 インダストリオール傘下の石油・ガス組合USOセザール・ローザ・アルナス会長は次のように述べている。

 「我々は平和の敵にすきを与えることはできない。平和は労働者にとってだけでなく全てのコロンビア人にとっての権利です。そして私たちは平和をサポートします。それは政府の政治に同意するという意味ではなく、平和となると全員が一致するのです。」

 ジラルドは言う「コロンビア人、特に若者たちはあきらめていない。コロンビアでは幅広い社会的動員が可能です。私たちは今、NOと投票した人でさえ、深刻な間違いを犯したと認識しており、私たちはそろって街頭に出て行けます。だから今、街頭への強力な動員がなければ、政府とNOと投票した人たちに、平和を達成するこの機会を逃すことができないよと認識させなければならない。今日、コロンビアに住む人々の大半は気付かなかったが、国内での動員、国際社会からの支援、労働組合運動の内部的な支援は、この難局を乗り越えて平和を達成するのに役立つのです。」

 10月の第2回インダストリオール総会では、1,500人の代表が満場一致で国民投票結果を後悔した連帯決議案を通過させた。総会はコロンビア政府とFARCの指導者に対し、平和の交渉と個人および団体の自由に対する尊重を保証する努力を継続するよう求めた。
 この決議を支持して、インダストリオール傘下エネルギー労働者組合SINTRAELECOLのパブロ・サントスは言った「我々は、平和への責任ある解決策を求めている。これまで数百万人が国外に移住し、労働組合員を含む何千人もの人々が殺された。今、連帯を広げる時が来ました」

 「この総会決議は、コロンビアの労働者が前進し、グローバルユニオンからバックアップされてることを私たちに伝え、私たちは闘いの中で孤立してない」とローザ・アルナスは語った。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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