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No.433(2017/1/16)
アルジェリアの労働事情

 2016年11月11日に行われた中東・北アフリカチームの労働事情を聴く会で、アルジェリア一般労働組合(UGTA)から報告された労働事情について紹介する。UGTAからは、3人が参加した。

【石油価格の低下は、経済情勢の悪化を招き、労働市場に悪影響】
 実質GDPの成長率は、2014年4.16%、2015年3.5%、2015年の見通しが4.6%となっている。物価上昇率は、2014年3.5%、2015年5.1%、そして2016年が4.6%となっている。最低賃金は、2013、2014年とも1万5000アルジェリア・ディナールであったが、今年は1万8000アルジェリア・ディナールとなっている。(1ドル=102アルジェリア・ディナール)最近の石油価格の低下は、GDPを停滞させ物価を上昇させるなど、経済情勢の悪化を招き、労働市場に悪影響を及ぼしている。また、労働者の生活面でも購買力を低下させ、社会的状況に悪影響を与えている。公共部門におきましても2016年及び2017年の2年間、保健、教育及び水資源分野の職務を例外としながらも雇用の凍結が行われることになり、こうした状況の中で、特に女性の労働者が犠牲となっている。具体的には物売りや窓口対応の仕事をする女性が社会保険に未加入のまま不衛生な環境での長時間労働によって搾取されている。また、子守りであるとか、清掃、縫製、菓子製造などが増えている。
 いまひとつの特記すべき点は、多国籍企業についてである。これら企業は、従業員の採用を有期雇用契約に限定して雇用と解雇を繰り返し、賞与や手当を支払わず、最低賃金に満たない賃金が支払われている。社会保障を適用しない労働慣行を作り出している。

 1990年代は、アルジェリアにとって非常に不運が続いた時期であった。80年代まで続いた社会主義体制から自由経済体制への変更は、民間企業を経営する経験もないまま移行された。さらに、1992年の国政選挙に端を発した政治的混乱から、イスラム過激派によるテロが深刻化、内戦状態となった。また、IMFにより緊縮財政を強要されたため、この10年の間に、国内の経済は大きな打撃を受け、1600の企業が消滅した。 
 その経済の回復、成長の促進政策は、2000年から行なわれてきたが、困難を伴っている。ここ10年間、UGTAは雇用の創出、あるいは購買力の向上をめざして、大きな力を注いできた。国の発展、経済の成長を促進し雇用を安定させるため、様々な措置に対して積極的に支援し、参加してきた。また、労働条件の改善、労働者や家族の日常生活の改善にも力を尽くしてきた。

【成長経済・社会国民協定を活用】
 アルジェリア一般労働組合(UGTA)は、国民社会契約の枠組みもあり、社会的対話に強力な政策を有してきた。これは、いかなる国民経済の発展も社会の健全性なくしては実現されないという思いからである。
 2014年2月に新たな成長経済・社会国民協定が締結され、UGTAは大きな役割を果たすため、国内における活動を展開してきた。三者間並びに二者間、つまり組合及び政府、または組合及び事業者での社会的対話の原則がアルジェリアでは確立されており、これまでに20回の三者対話、13回の二者対話が開催された。こうした対話を通じてアルジェリア一般労働組合(UGTA)は直面する課題の解決に努めていく。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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