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No.421(2016/10/18)
ラオス・ベトナムの労働事情

 9月9日に行われたラオス・ベトナムチームの労働事情を聴く会から、ラオスとベトナムの労働事情についてラオス労働組合連盟(LFTU)、ベトナム労働総同盟(VGCL)から報告された報告の一部を紹介する。

<ラオスの労働事情>

 ラオスは、アセアン諸国と比較しても個人所得が低く、労働者の生活は、極めて劣悪な状況にある。こうした背景には、労働者の50%程度しか能力開発訓練を受けられず、労働のスキルが低い者が多いという現実がある。工場労働者の知識レベルも低く、能力も限られているために付加価値の高い仕事ができず、そのために賃金も低くなってしまっている。また、路上での物売り、荷車を引いて生業としている者、三輪車(トゥックトゥック)の運転手などのインフォーマルセクターの労働が、雇用全体の70~80%を占めていることも所得が低くなっている要因となっている。インフォーマルセクターの労働者は、法律に関する知識もなく、だまされたり、不利益を受けることも多く、LFTUは組織化に向けたセミナーを実施している。
 労働組合が直面している課題としては、専従役員が置かれていない組合が多く、労働組合の役員が労働者を代表して団体交渉に参加し、あるいは団体交渉を指導することが難しいことがある。また、ラオスは社会主義国であり、企業や労働者が、企業収益や賃金から一定割合をLFTUに支払う制度(組合費)もなく、労働組合の収入は国からのものが中心であり、財政的な基盤も弱く、活動に制限が出てきている実状にある。

<ベトナムの労働事情>

 ベトナム経済は、2015年のGDPは6.7%の増加と、ここ数年の中では比較的高い成長となっている。しかしながら、ベトナムの賃金は政府が低賃金政策を続けてきたこともあって、労働者の賃金は押しなべて低い水準にある。最低賃金も2015~16年度で7.3%づつ、合計で14.75%上昇したものの、最低限の生活に必要な水準の67%しか満たしていない。
  労働組合としての課題は、上述の最低賃金と併せ、組織拡大である。VGCLは組織拡大に向け、2018年までに1000万人まで組合員を増やすこと。30人以上の労働者を雇用している企業に対しては、その90%の企業に労働組合を設立することを掲げている。 
 具体的には、政府が投資認可を与えた332カ所の工業団地、経済地区、加工区で働く約300万人の労働者のうち、まだ組合員になっていない人をターゲットに組織化をすすめることで1,000万人の労働組合員の目標を達成させる。その前提として国営企業ならば100%、民間セクターの企業の場合は、65%以上の企業との間に団体労働協約を結ぶことを目指している。そういったアクションプランを実施することで2013年から現在までに241万3013人の組織化を実現させた。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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