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No.413(2016/9/6)
インド、タミルナドゥ州での最低賃金

 タミルナドゥ州の縫製労働者の最低賃金について経営側が反対の嘆願書を提出していたが、マドラス高裁はこれを却下した。これまでの経過を見ると、2004年の最低賃金が2005年に改定されたが、経営側は応じず、以来据え置きのままだった。2012年に政府は諮問委員会を設置し、調停の意味もあり2014年10月には新たに最低賃金を発表した。その内容は熟練工である裁断工は8,480ルピー(127米ドル)、最低ランクのヘルパーが7,201ルピー(107米ドル)だったが、経営側はその執行停止を求め嘆願書をマドラス高裁に提出していた。

 マドラス高裁は7月15日に、政府の決定を支持する以下の裁定をした。「官報に記載され通知された、政府の決定した最賃を2014年12月に遡って経営側は労働者に支払うべきだ」、さらに裁判所は経営側に2か月以内に、延滞している賃金に6%の利息を上乗せして支払うことを命じた。大多数の労働者はこの改定をまだ知らないので、新たな最低賃金の実行が課題である。
 さらに、タミルナドゥ州政府は靴下産業労働者の最低賃金を更に低めに設定するなど経営側を助ける抜け道を作り出した。
 アプーヴァ・カイワルインダストリオール南アジア地域書記は「縫製労働者のほとんどは出来高払いの非正規労働者で週賃金で働く不安定雇用だ。雇用者は非正規労働者が正規化しないために、しばしば労働者を工場から工場へシフトしている。タミルナドゥ州では、経営側が組合結成に強く抵抗しているため縫製工場での労働組合の組織率が低い。法定最低賃金と延滞金を確保することが労働者にとって挑戦であり、そのためには強力な労働組合を組織することが必須である。縫製・ファッション労働組合(GFWU)は重要な役割を果たし、この高裁による裁定を歓迎し、その精神と文章による完全実施を求めている。繊維産業ということに関わりなく、全ての縫製労働者は同等であり、最低賃金は全ての労働者に平等に実施されなければならない」と語った。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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