バックナンバー

No.408(2016/8/23)
サービス労組とスタイヤー環境団体が民主党候補支援で協力

 サービス労組(SEIU)は、環境主義者の富豪、トム・スタイヤー氏と協力して、クリントン氏ほか民主党候補の当選に向けて草の根活動を展開することとした。手始めにコロラド、オハイオ、ペンシルバニア州の激戦区を中心に、黒人系、アジア系、ラテン系米国人に対し戸別訪問や電話により民主党候補への支持を訴え、11月の選挙までに各投票者に対し少なくとも3回の対話を重ねる計画である。

 トム・スタイヤー氏はヘッジ・ファンド・マネージャーとして巨万の富を築いたが、経済機会、教育、医療の平等を唱えつつ、若者の喫煙防止にも取り組み、“次世代気候の保護“という団体を設立して環境保護に取り組んでいる。また、大手銀行から融資を受けられない中小企業向けの銀行を運営しており、利益はすべて地域に還元していると言われる。同氏の活動に大きな影響を与えているのは銀行CEOも務める妻キャットさんの強い意志だが、一家はサンフランシスコ在住で、子供4人の家族である。同氏は巨万の投資家ウオレン・バフェット氏、そしてマイクロソフトのビル・ゲイツ氏と同様、財産を社会福祉のために使う覚悟という。

 SEIUのヘンリー会長は「トム・スタイヤー氏の次世代気候保護団体との協力は2014年の環境破壊反対の活動から始まった。それ以来二人で、経済正義と環境の正義、移民の正義そして人種の正義という運動の整合について考えてきた。今の活動を隣組的・インフラ的な地域活動として半永久的にしていきたい」と語る。

 しかし、この協力に反対する労働組合もある。それは建築関係の労働組合で、スタイヤー氏が米国を縦断する巨大石油パイプライン建設に反対したことが、組合員の生活を脅かしたと主張している。去る5月に、同氏とAFL-CIOそして公務員労組が共同で政治活動基金(PAC)を設立した時に、建築関係8労組はAFL-CIOに対し同氏との関係断絶を要求した。

警官殺害事件を背景にシカゴ警察労働組合が残業拒否を呼びかけ

 黒人射殺による警察への不信と各地で起きた警官殺害事件に抗議するため、シカゴ警察友愛騎士団組合(CFOP)はレーバーデー(9月5日)の時期に残業を拒否するよう組合員に呼び掛けた。

 この時期には人出が多く、警備の強化が必要とされ、警官に対し残業や休日出勤が要請される。呼び掛けのビラには「団結を示そう。警察に対する度重なる非礼に抗議する」と書かれている。CFOPのアンジェロ組合長はダラスやルイジアナで起きた警官殺害事件を念頭に「1か月前、警察警備のために出勤する警官に家族が心配するようなことはなかった。今の状況下では無理してまで危険を冒すことはない」と語る。

 シカゴ警察の事件とは去る11月、ナイフを手に歩いていた17歳の黒人青年に8名の警察官が駆け付け、その中の白人警察官1名が16連発の自動短銃を全て発射して2発が背中に命中、死亡させたもので、その様子がビデオで流され、大規模デモに発展、その警官は起訴された。

 警察監査機関によるその他の事例調査では、2007年から2か月前までの約400件の発射事件の中で、警官に非があるとされるのは2件だけという結果も出た。今週になって警察監査機関は別の2件に関連して警察官3名の解雇を勧告したが、アンジェロ組合長は「この勧告は警察官を守るものでない。彼ら3名はアンチ警察運動の犠牲者にされた」と、不服を強調した。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
Copyright(C) JILAF All Rights Reserved.