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No.396(2016/6/10)
インド繊維産業における非正規労働者組織化への動き

 隣国バングラデッシュで2013年4月に起きたラナプラザ繊維工場崩壊により1100名の犠牲者、2012年9月に起きたパキスタン、アリエンタプライズ工場火災による254名の犠牲者、そのほとんどが不安定雇用である非正規労働者だった。
 インドの繊維産業でも多くの組織化されてない非正規労働者が働いており、隣国の悲劇はインドでも起きる可能性はある。インダストリオール加盟の労組が繊維・皮革工場で働く非正規労働者を組織化するべく、バンガロールで2016年5月労組組織化ワークショップを開催し、戦略的な体験を分かち合った。
 インダストリオール本部でも、南アジアでの繊維、皮革、靴部門での組織化は最も優先された政策で、ワークショップでは非正規労働者の権利を守り、不安定雇用改善に向けての方策を示した。
 労組において労働者の信頼を得ることは組織オルガナイザーにとって大きな挑戦で、非正規労働者への社会保障の適用は労組の主たる要求だ。安定した仕事とはいえない中で、国の社会保障を非正規労働者に適用することは労働者を組織化する上で積極的な要因となる。
 インドでは環境規制で多くの工場特になめし革工場の閉鎖という厳しい問題に労組は直面し、非正規労働者は代替職場の機会も補償も無い。労組は非正規労働者のために新たな職場の確保や補償の実現を前提に工場閉鎖に対応している。
 ワークショップでは、産業全体における各種給付金や企業別の労働協約についても話し合われた。最初に挨拶に立ったインダストリオール地域書記のアプーバ・カイワルは「繊維、被服、皮革分野の産業はこの地域で急成長しているが、労働者は不安定雇用という新たな挑戦に立たされている。移民労働者、若年労働者、女性労働者がこの分野での主力労働力であり、次世代の労働者として組織化しなくてはならない」と述べている。
 インダストリオールが結んだH&MとInditexとのグローバル枠組み協定の詳細とそれをサプライチェーンでの労働者保護に如何にして適用するかが、ワークショップでのハイライトだった。キーとなる産別労組、SEWA, NTGLWF, INTWF, INGLWF, HMS NCR, TWFI、とINTUCコルカタがワークショップに参加した。参加者は今後更に労働組合は非正規労働者に関与して行くことを決議した。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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