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No.395(2016/6/1)
ウーバー・タクシーと運転手に和解、独立業者と認定

 インターネットによるタクシー配送会社のウーバー社(UBER)がカリフォルニア州とマサチューセッツ州の集団訴訟で385,000名の運転手と和解した。以後、運転手は独立契約業者と見なされる。
 今まで、会社は業績の悪い運転手には説明なしに契約を破棄していたが、今後は説明を必要とし、業績評価などのコミュニケーションの改善を約束した。また認めていなかったチップ受領を認め、運転手の協会設立にも協力することとなる。
 今回の集団訴訟には上記の諸点が提起されたが、注目された「運転手たちが従業員として労働組合が結成できるかどうか」については、会社は事業の目指す方向と大きく異なるとして激しく抵抗し、今回の和解で1億ドルに及ぶ多額の賠償金の支払いにも応じた。
同社カラニック社長は「運転手との関係が必ずしも良好だったとは言えない。契約解除や苦情処理にも問題があった。わが社に働く全米450,000人のためにも変革の時が来た。会社は常に運転手の自由と自治を重視している」と述べた。
 しかし州議会や地方裁判所判事の中には依然として運転手が従業員だとする見解のものも多く、今後の展開は予断を許さない。

米国VWに対し労働関係委員会が労働法違反の上訴

 昨年12月、テネシー州フォルクスワーゲン(VW)工場の機械・ロボットのメインテナンス職場が108対44でUAW(全米自動車労組)加盟を決めたが、会社は1,400名の工場全従業員による労働組合でなければ認めないとの主張をしている。
 これに対し、全国労働関係委員会(NLRB)は、「一部であっても全体とは異質の職場には労働組合を認めるべき」との見解を2対1の判断で示したが、会社はこれに従っていなかったため、NLRBは今回会社を提訴することにした。これに対し、会社側も再度「委員会は会社の主張を十分斟酌していない」として、連邦裁判所にアピールする構えである。
 UAWは2014年にも組織化投票を行い、712票対626票で労働組合結成に失敗したが、当時、テネシー州政府と共和党優勢の議会は「労働組合の進出は企業による投資意欲を阻害する」として、UAW労組結成の際にはVW工場への補助金を停止すると喧伝し、激しい妨害工作を行った。VWはいまディーゼル・エンジン問題への対応にも迫られており、5月6日には民主党大統領候補のクリントン氏もUAWへの支持を表明している。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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