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No.383(2016/3/8)
パキスタンの鉱山、依然として危険な労働

 国際労働財団は、2005年よりパキスタン・イスラマバード郊外で炭鉱・建設現場における安全衛生訓練POSITIVEを実施してきたが、安全衛生の正しい知識は、未だに全ての炭鉱には浸透してない。最近のインダストリオールのニュースによると2月19日、バローチスターン州ダキ地域の炭鉱で有毒ガスによる労災で3人の労働者が死亡した。
 ダキの炭鉱は、労働者の命を危険にさらす職場だ。インダストリオールの加盟労働組合パキスタン鉱山労働組合(PCMLF)によると、バローチスターン州クエッタのパキスタン鉱物開発公社所有のソルレンジ鉱山で2016年1月に起きた事故で3人の労働者が、またロラライのシャマラン炭鉱では2人が犠牲となった。2015年の2月には、ダキの鉱山落盤事故で8人の労働者が犠牲となり、14人が負傷した。こうした多くの犠牲者を出す状況でありながら、パキスタン政府は鉱山における安全な労働を確保する適切な対策を怠ってきた。
 パキスタン炭鉱で働く多くの労働者は、複雑に絡んだ下請との契約労働者で、危険で厳しい労働環境、かつ低賃金と社会保障給付の欠如は重大な問題となっている。最近の3件の事故の犠牲者は、国境を接するアフガニスタンからの移民だった。
 ユリキ・ライナインダストリオール書記長は、「鉱山労働者の死が、パキスタン炭鉱で常態化していることは受け入れられない。犠牲者の家族にお悔やみを申しあげる。我々はパキスタン政府に、鉱山における安全衛生を規定するILO176号条約の早期批准を求めるとともに、緊急事態として炭鉱における安全衛生の専門家会議を開催し、地下炭鉱の安全衛生のILO規程を実行することを要求する」と語った。
 インダストリオールパキスタン協議会(IPC)の会長で、PCMLFの書記長、スルタン・モハメッド・カーン氏は、バローチスターン州に散在する約120の炭鉱は、安全対策が充分でないとし、「政府はただちに危険状態が続くソランジ、マルワル、ダキ、マック、シャマラン、シャーリフ、といった炭鉱で重大事故が起きない安全対策を確実に行うべき」と訴えている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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