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No.373(2016/1/28)
日本の「アフリカ開発会議」、初めてアフリカ、ケニアで開催

 2016年、日本のアフリカ開発への支援が新しいステージを迎える。日本が主宰する「アフリカ開発会議(TICAD: Tokyo International Conference on African Development)」が、本年、はじめてアフリカのケニアで開催される。この会議は、1993年に始まるが、これまで5回の会合はいずれも日本で開催されており、前回の第5回会議(2013年・横浜)には、アフリカ54カ国中、51カ国(うち首脳級39カ国)が参加した。この会議は、日本のほか、国連、アフリカ連合委員会、世界銀行、国連開発計画(UNDP)が共催する。TICADの現地開催は、アフリカ諸国が強く求めてきたもので、これを支援するNGOからも要請が行われていた。また、従来の5年毎の開催を、今後は3年毎にすることも確認されている。
 ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は、1月9日のインタビューで、「今年は重要な国際会議がわが国で開催され、世界のリーダーがわが国を訪れる年となる」と語り、ケニアへの国際的な信頼感と存在感を回復し、高める年としたいとの意欲を語った。そして、最大のイベントの一つにTICADを挙げ、日本の安倍首相、共催する国際組織のリーダー、アフリカ各国の首脳はじめ、多くの要人、関係者など約6000人が訪れるとして、期待を示した。ケニアでは、本年、6月には国連貿易開発会議(UNCTAD)の第14回世界会議(UNCTAD14)が開催され、また、英国のキャメロン首相の訪問も予定されている。
  ケニアは、東アフリカの政治と民主主義にとって重要な国家であるが、2007年末、主要民族を二分する大統領選挙の結果、1000人を超える死者、50万人レベルの避難民を生み出す建国以来の争乱が発生した。国連の仲介なども受け、2010年に新憲法を制定、2013年に行われた大統領選挙で、現職のケニヤッタ氏が選出された。大統領は、就任以来、国民統合のための政策、中所得国入りを目指す「ビジョン2030」などの推進に努めており、TICADをはじめとする今年の国際会議は、大きな意義を持つものといえる。
 ケニアは、アフリカの労働運動においてもその軸心の一つである。国際労働組合総連合(ITUC)傘下では、東アフリカで最大組織の一つであるケニア労働組合中央組織(COTUK:約24万人)が、地域のリーダーとしても活躍をしている。また、ITUCのアフリカ地域組織(ITUC-Africa:51カ国103組織、1600万人)は、現在、トーゴーのロメに本部が置かれているが、それまではナイロビを拠点としていた。ITUC-Africaは、昨年11月23・24日、セネガルのダカールで第3回地域会議を開催し、2015-19の運動方針を決定した。そこでは、アフリカの経済、社会面での改善が大きく遅れていることを指摘し、雇用の創出を含む実効ある開発政策の推進、豊富な資源を自らの地域の成長に結びつけること、民主主義の確保と労働運動の推進などが打ち出されている。
 今年はTICADの現地開催により、日本からアフリカへの開発協力は新たな段階を迎えることになるが、今後、社会面や労働分野での支援がより必要となることは明らかである。日本では、NGOの「アフリカ日本協議会」などよるTICAD・NGO協議会が、TICADのプログラムやプロセスへの市民の参加を求めている。また、アフリカへの労働面での支援は、JILAFが、招へい事業を通じたアフリカの若手労働組合指導者の育成につとめており、これまでに44カ国・1組織から、589人を招へいしている。この中には、ザンビア労働組合のJ.チルバ氏のように、その後、同国の大統領に就任した人物も含まれている。また、現地での事業として、ザンビアなどでのHIVAIDS対策プログラム、アフリカ各国で、労働組合指導者ワークショップ・生産性セミナー(共催)などを実施してきた。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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