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No.315(2015/5/27)
ラナプラザの悲劇被害者への補償基金不足がいまだ埋まらず

 2年前(2013年)の4月24日、バングラデシュ郊外のラナプラザビルが倒壊し1134人の労働者が犠牲となり、負傷者を含めると被害者は3600人に達した。遺族や負傷者の生活補償のためにラナプラザ信託基金を設立し、有名ブランドを含む世界の衣料産業から寄付を募ったが、目標の3000万ドル(約36億510万円)には、270万ドル(約3億2859万円)が未達である。
 法的には、インダストリオール、ユニとNGOそして国際有名ブランド各社によりバングラデシュ防火災・建物安全協定が結ばれた。協定への参加・署名は200ブランドとなり、1500の工場が安全監査を受け、多くの安全措置が執られた。
 インダストリオールのユリキ・ライナ書記長は「ラナプラザでの悲惨な労働災害の被害者はいまだに完全な補償を待っている。この労災は集団的に責任を負うべきもので、ベネトン、マンゴ、ウォルマートやカルフールはもっと基金に拠出すべきだ」と語った。
 ユニのフリップ・ジェンキンス書記長は「母親や、一家の稼ぎ手を失った家族が完全な補償をいまだ待っているというのは非道なことだ。270万ドル(約3億2859万円)足りないということは、国際ブランド各社が心から反省してないからだ。全ての国際ブランド各社は不足額を埋めるように協力すべき」と付け加えた。
 ITUCが支援しているグローバルユニオン連盟は、グローバル展開を行う服飾衣料各社に教訓から学ぶべきと要請し、他の厳しい課題即ち貧困賃金しか支払われてないことに対応しようとしている。
 ITUCのシャロンバロー書記長は「ラナプラザの悲劇は典型的なグローバルサプライチェーンが、働く人にとっていかに破壊的かを示している。それは、新しいグローバルビジネスモデルに取って代わるべき失敗したモデルだ。新モデルは、退廃的でなく世界経済の活力の元である生産、輸送、サービスする人々の生計と権利を尊重するものだ」と語った。
 国際ブランドの多くは欧州企業であるので、欧州の国際労働組合組織は、バングラデシュ政府は労働者の権利を制限している雇用法改定に失敗したと批判してきた。そして、EUに対してバングラデシュ政府に影響力を行使するように要請した。

*1ドル=121.70円(2015年5月25日現在)

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