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No.309(2015/4/17)
インドネシア金属労働組合産業政策と最低賃金のワークショップを開催

 インダストリオールに加盟するインドネシアの金属労働組合はインドネシアにおける生活賃金とそれを可能にする産業政策をテーマに2つのワークショップを開催した。

経済開発迅速化・拡大マスタープラン(MP3EI)への関与
 インドネシアの産業は、熟練労働者によるハイテク産業と原材料生産のローテク産業の二極化に特徴付けられている。原料を輸出している一方生産は輸入材料に依存している。
 ワークショップでは、インダストリオール・グローバルユニオンの加盟組合は、インドネシアは、包括的な産業発展政策の一環として、加工処理から輸送まで連携する産業を開発する必要があると指摘した。また、汚職は依然としてインドネシアで厳正に対処すべき大きな問題であり、インフラ整備を妨げているとも指摘した。
 インドネシア政府は、MP3EIと言われている2011年から2025年の国家開発計画を策定したが、労働組合側には話がなく、労働組合はその内容をほとんど把握できていない。同計画は、ジャバを産業の中心地域とし、他の地域は、天然資源に焦点を当てている。
 加盟労働組合は、同計画は他の地域への投資を犠牲にして、ジャバ地域にあまりにも多くの製造業を集積していると問題視している。すべての地域でより多くの雇用の創出と生活水準向上を推進するためには、産業とインフラのより平等な配分が必要とされる。同計画は環境に責任を持ち、代替エネルギーやエネルギー効率の高い技術に向けたインセンティブを提供することなく、非再生可能エネルギーに依存している。
 加盟労働組合は、労働組合や市民社会との連携で作業を進めていく必要があると結論付け、持続可能な産業政策と、MP3EI計画を組合員に広く知らしめることを約束した。持続可能な産業政策に関する決議は、金属労働組合とインドネシア総連合の総会に上程される予定で、決議案はインダストリオール・インドネシア評議会の次回会合で継続審議する。

生活賃金 産業セクター別交渉の促進
 インドネシアの最低賃金は、地域レベルで設定されている。労働組合は最低賃金の大幅な増加を獲得するために努力しているが、最低賃金で労働者の基本生活費をカバーできていない。賃金の大きな地域格差は、不平等を加速している。インドネシアのある地域での最低賃金はラオスの次、東南アジアで二番目に低い水準となっている。政府は現在、最低賃金を5年毎に増加することを提案しているが、その間の生活費増は考慮に入れていない。
 加盟労働組合は、賃金上昇以上に高い会社の利益と、最低賃金の比較がいかに考慮されてないかを議論した。グローバルなサプライチェーンで増殖された多くの企業利益がより公平に分配されているかを確認するためには、産業セクター別交渉への議論をした。
 インドネシアにおいて、産業セクター別交渉のいくつかの例があるが、広がりを見せず、しかも交渉相手の経営側も雇用者の代表ではない。産業レベルの交渉なら、賃金の地域差を均等化し、どこに会社が存在しても同じ会社内の労働者は、同じ賃金を支払われることになる可能性がある。
 現在の最低賃金の決定機構には、労使が参加している点は良いが、更に改善が必要であることに合意した。決定機構を構成する組織の質と量を向上させることができ、最低賃金を下回って支払う企業に制裁を加えるべきである。賃金上昇後、物価を抑える政府の行動も必要とされる。最低賃金を5年ごとに改定するという政府の提案は、拒否する。
 ワークショップでは、労働組合間で、賃金要求においてより良い連携と共同行動を促進する協定を締結した。特に、産業セクター別賃金協定に向け進展すべきだ。

インダストリオールニュースより

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