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No.300(2015/3/6)
バングラデシュ、ラナプラザ犠牲者への補償金が不足

 2013年4月24日、ダッカ郊外の多くの繊維工場が入居するラナプラザビルが崩壊し、1100人以上の犠牲者が出てから、2年が経とうとしている。その後そのビルは以前から危険で崩壊すると警告を受けていたことが報道され、人災であることが明らかになった。ILOの主導で犠牲者への補償のため、国際的なブランド各社、バングラデシュ首相基金、国際労働組織などから2100万ドル(約25億467万円)寄付されて、ラナプラザ信託基金が設立され、犠牲者に配布されている。しかしこの基金が、3000万ドル(約35億7810万円)の必要額に対し900万ドル(約10億7343万円)不足することが判明した。
 ILOが管理するラナプラザ調整委員会によると、5000人にのぼる事故による傷病者は、現在補償額の4割を受け取っているのが現状だ。こうした中で、下請け企業がラナプラザビルで操業していたにもかかわらず、イタリアブランド、ベネトン社だけが、補償基金の協力をしてないことが明らかになり、インダストリオールやユニ(UNI)は、同社に対して、基金に拠出することを要求している。また、同社は補償を要請する百万人の消費者の署名により圧力を受けている。
 インダストリオール書記長のユリキ・ライナ氏は「ラナプラザの大きな悲劇は続いており、見過ごしはできない。母を失った子供、収入を失った家族はもちろん、多くの生き残った人々たちも心身ともに悲惨に傷ついており、もはや家族を養うこともできない状態だ。補償以上に支払うべき多くの国際ブランド社があるが、ベネトンはそれをリードすべき立場だ。話し合いのドアはいつでも開かれており、ベネトンはきちんと対応すべきだ」と述べた。
 事故で生き残った被害者の一人は「自分たちは、哀れみを乞うとか慈善金をくれと言っているのではなく、公平で充分な補償を求めているだけだ」と訴えている。
 ユニグローバルユニオンのフリップ・ジェニング氏は、次のようなメッセージをベネトン社に送った。「ベネトンは今こそ方針を転換すべき時だ。繊維工場の歴史上なかった大きな悲劇が起きてから2年になろうとしている。ラナプラザで生産していたベネトン社は、犠牲者に報いる時であり、2年目が刻々と近づいているし、同社はそれができる」
 バングラデシュ防火災・建物安全協定については、既に世界のブランド200社が署名している。この協定はバングラデシュで操業する2000社を独自に監査するプログラムだが、この国の繊維服飾産業セクターの安全に貢献し、ひいては持続に寄与している。
 こうした取り組みの結果、大手ブランドのベネトン社は、ラナプラザ基金に協力を表明し、補償へ前向きの姿勢を示し始めた。

*1ドル=119.83円(2015年3月2日現在)

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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