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No.295(2015/2/10)
アルジェリアの労働事情

 2014年11月14日に行われたアフリカチームの労働事情を聴く会で、アルジェリア一般労働組合(UGTA)から報告された労働事情について紹介する。UGTAからは、2人が参加した。

【雇用安定のためには、石油依存から脱却し経済構造の転換が必要】
 アルジェリア経済の基幹産業は石油開発であり、石油に依存(石油と天然ガスで輸出総額の98%を占める)している。この石油依存体質を産業の多角化によって輸出産品を増やし、経済構造を変えていく必要がある。我々労働組合も、雇用の維持、拡大のためには、経済の構造改革が必要であると認識し、運動を続けている。石油依存から脱却するためには、新技術の導入による生産性の向上が必要であり、そのためには、海外からの投資を促進し、技術移転を進めていく必要がある。
 雇用情勢は10年前から改善し、失業率は1999年の30%から2013年には9.8%へ低下した。この背景には、石油価格の上昇により国の財政収入が増えたことから、高速道路、港湾、住宅建設などインフラ整備のための投資が活発化したことにある。また、法人税を5年間非課税にするなどの奨励策もあって、若者の起業家精神が触発され、2010年から2013年にかけて25万6000社以上の小企業が生まれた。同時期には、53万1000人の雇用も生まれた。2010年~2013年の間には、99万2000人以上の求職者が、公共職業案内所を通じて経済部門に就職し、また、初めて求職活動を行う約131万5000人の若者が、就業支援措置の恩恵を受けている。また、闇労働、あるいはインフォーマル労働に関しては、政府、UGTA、経営者の3者の間で協議を行なってきている。
 UGTAは、雇用を創出、または企業の発展を促すための活動を行なっている。1990年代は、アルジェリアにとって非常に不運が続いた時期であった。80年代まで続いた社会主義体制から自由経済体制への変更は、民間企業を経営する経験もないまま移行された。さらに、1992年の国政選挙に端を発した政治的混乱から、イスラム過激派によるテロが深刻化、内戦状態となった。また、IMFにより緊縮財政を強要されたため、この10年の間に、国内の経済は大きな打撃を受け、1600の企業が消滅した。 
 その経済の回復、成長の促進政策は、2000年から行なわれてきたが、困難を伴っている。ここ10年間、UGTAは雇用の創出、あるいは購買力の向上をめざして、大きな力を注いできた。国の発展、経済の成長を促進し雇用を安定させるため、様々な措置に対して積極的に支援し、参加してきた。また、労働条件の改善、労働者や家族の日常生活の改善にも力を尽くしてきた。

【政労使間で成長経済・社会国民協定を締結】
 2006年には、経済・社会国民協定の締結が政労使間で行なわれ、2014年2月には、その協定を強化する新たな成長経済・社会国民協定が締結された。この協定に対して、UGTAは大きな役割を果たすため、国内における活動を展開してきた。UGTAは、1954年に創立され、歴史もあり経験も豊富な組織である。また、労働組合の組織としては国内最大であり、政府も無視できないパートナーとなっている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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