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No.285(2014/12/17)
ラオスの労働事情

10月24日に行なわれたアジア・太平洋チームの労働事情を聴く会から、ラオスの労働事情について報告する。ラオス労働組合連盟(LFTU)から1人が参加した。

【最低賃金を80万キープ(約1万1200円)~88万キープ(約1万2320円)へ引き上げと、インフォーマル労働者の保護を】
 ラオスの人口は、620万人超で、このうち14歳から60歳までの労働力人口が302万1212人となっている。ラオスではインフォーマル経済で働く者が多く、正規の労働者数は62万8204人、労働組合に加入しているのは19万5015人となっている。また、農業の就労者が36万4200人で、工業関係の就労者は2万6708人に過ぎない。
 最低賃金は、現在1カ月当たり62万6000キープ(約8764円)だ。労働時間は週6日、1日8時間まで、あるいは1週間に48時間までとなっている。休日は週1回で、そのほかの祝日は政府が指定する。

【直面する課題
 現在、労働組合が直面している課題、問題は次のものがある。[1]労働者自身が自分たちの権利や利益に関する法律の知識が不足している。[2]労働協約、あるいは労働者個人の雇用契約が欠如している。[3]労働者の技能開発が労働市場の需要とマッチしていないことと、確立もされていない。[4]ラオスの若者たちが職を求めて近隣諸国へ流出していることと、その方法が違法である場合が多いこと。[5]労働者を搾取して長時間労働を強いる雇用主がいること。[6]従業員側も、仕事を始める前に雇用契約を結ばない者がいる。[7]雇用主が労働法、あるいは労働組合法を考慮しない、あるいは遵守しない。[8]労働組合には、十分な活動費が無い。[9]出稼ぎ労働者、移住労働者が存在する。[10]工場にオルガナイザーがいないために、労働組合を結成することが難しい。

【ラオス労働組合の取り組み】
 このような問題に対応するため、以下の取り組みを推進したいと考えている。
 まず、[1]工場の規則を労働法、あるいは労働組合法等の労働法制の内容に沿うように改善する。[2]労働者に対する教育を行ない、職場の安全や健康に関する意識を高める。[3]海外からの投資家に働きかけて、彼らにも組合活動に参加してもらう、あるいは協力してもらうように働きかける。[4]工場内の労働組合の結成を投資家が認めるよう働きかける。[5]組織化によって労働組合の組合員数を増やす。[6]教育、宣伝活動を行ない、労働法制に記載されている労働者の権利等に関する知識を高める。[7]労働者にも、仕事を始める前に雇用契約を結ぶよう指導する。[8]労働争議の調停に関する講習会を開催する。[9]さまざまな経験や事例を共有するため、年に1回会議(研修)を開催する。[10]労働組合の活動に対する認識を高める。
 我々が取り組むべき優先課題は、次の通りである。[1]団結のためのキャンペーン活動を行ない、組合員、労働者として権利意識を高める。[2]組合員、従業員、労働者、学生に対する研修や学習を実施して、政治的な積極性及び法律を遵守することを学ばせる。[3]雇用主に対しては、従業員のための技能訓練を行なうとともに、職場の安全を確保させ、健康診断を受けさせることを求める。[4]労働組合として、労働法関連の問題の相談に応じることや、労働者の労働争議に関する依頼を受け、仲裁を行なう。[5]労働組合は、各政党、あるいはラオス政府、ラオス国家建設戦線、そのほかのさまざまな組織との調整、協力のための作業を行なう。
 我々は、三者協議に関する労働法の改正を求めて討議を行なうこととしている。その理由は、三者協議において決定される法定最低賃金を、前述の現行水準から月額80万キープ(約1万1200円)、88万キープ(約1万2320円)に引き上げることと、インフォーマルセクターで働く労働者の保護を行なうことにある。

*1キープ=0.014円(2014年12月1日現在)

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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