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No.282(2014/12/5)
カンボジアの最低賃金月額128ドル決定に批判が集中

 年初から課題になっていたカンボジアの繊維産業最低賃金について月額128ドル(約1万5219円)と政府の裁定が発表されたが、国内外の労働組合からその低水準に批判が集中している。
 今年の1月、月額100ドル(約1万1890円)の賃金では貧困ラインギリギリで生活ができないし、繊維産業そのものが維持できないと、国内だけでなくグローバルユニオンや国際的なファッションブランド各社が認め、街頭抗議デモが行なわれ、これに対し政府は鎮圧の軍隊を繰り出した経過がある。
 政府の裁定額は、労働政策諮問委員会の勧告月額123ドル(約1万4625円)より少し上回るが、労働組合の要求177ドル(約2万1045円)からすると納得できるものではなく、解決には至らない。
 「生活可能賃金とは労働者が尊厳を持って生活できるだけでなく、繊維産業維持にとっても必要不可欠なものだ。それだからこそ、主要なファッションブランド各社が支持を表明している」と、ユリキインダストリオール書記長は説明し、さらに「今後も、ブランド各社のカンボジアサプライヤー労働者が、より高い賃金が実現できる仕組みをブランド各社と共闘して作るつもりだ」と述べた。
 ブリスベンでのG20サミットに先立ち、フィリップ・ジェニングスUNIグローバルユニオン書記長は、「カンボジア繊維産業の労働者は賃金の引き上げが必須であり、サプライチェーンはこのG20で検証され、カンボジアへの我々の失望を明確にしたい」と述べた。
 加えて、悪い方向に一歩踏み出した労働法原案にもグローバルユニオンは大いに関心を持っている。「政府に対し、ILOはこれまでILO勧告に沿った労働法を作るように要請してきたが、政府は全く反対の立場を取っている。最近の原案では、独立した労働組合に破壊的な衝撃を与える」とシャラン・バローITUC書記長は述べ、「更に悪いことに、ストライキ権を行使すると、カンボジア王国に損害を与える行動と判断され、労働組合を弾圧し、一掃することができるような文案を加えており、我々は受け入れられない」と強調した。

インダスリオールニュースより
*1ドル=118.90円(2014年12月1日現在)

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