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No.276(2014/11/6)
モンゴル・ウランバートル市で日本とアジアの労働法についての講義が開催

 10月6日から4日間、モンゴルの首都、ウランバートルにあるモンゴル国立大学の法学部で日本とアジアの労働法についての集中講義が行なわれた。同学部に設置されている名古屋大学の法学教育支援センターによる活動の一環であり、対象は、日本法プログラムを希望し、各学年で選抜された20人のうち、3年次、4年次の学生である。講師は、JILAFの熊谷アドバイザーが担当したが、労働法はこのコースでは初めてである。法学部の卒業生は、モンゴルの法曹や各界の法務での活躍が期待されているが、名古屋大学によるプログラムの受講生には、日本法のエキスパートとしての活動やその国際的なネットワークづくりも期待されている。

 今年、モンゴルは1989年にはじまる民主化から25年目を迎えた。体制変革の混乱の時代、ソ連に続く世界で二番目の社会主義国であった同国は、平均インフレ率が100%を超えるような危機的状況に陥った。それを救った支援の筆頭は日本であり、1997年まで世界銀行とともに支援国会議の代表を務めた。日本はまた新しい社会づくりに向けた法整備の支援を行い、1994年の民法改正、2002年の新民法典制定、また土地法改正でも協力を行なってきた。2004年からは、司法制度の改革に向けて日本の弁護士が派遣されている。JILAFは、1994年から、労働法制を含むいくつかのテーマで現地支援事業を行なっている。
 モンゴルは、今日、世界的な石炭、金、銅などの産出国となり、一人当たりのGDPは2014年に中進国レベルの4000ドル台となった。首都ウランバートルは交通渋滞に悩まされる状況だが、産業社会を支える今日的な法制度の整備が課題となっており、労働法もその一つである。1999年に社会主義時代の制度が改正されたが、その後も新しい労働法典への改正に向けての検討が続いており、今年の夏には素案も示されている。
 名古屋大学による現地での法学教育支援の活動 は、1990年代の研究や支援の実績を踏まえて、2005年にウズベキスタンに「日本法教育センター」を開設したことに始まる。モンゴルでの設置は2番目(2006年)であり、これに続いて、ベトナム(2007年)、カンボジア(2008年)、ミャンマー(2013年)、インドネシア(2014年)、ラオス(2014年)など、現在では7カ国に支援センターが設置されている。
 なお、日本の「アジア法学会」は、本年度の研究テーマを、民主化25周年を迎えたモンゴルの法制度としている。6月21日の前期の研究会(名古屋市・メルマガ既報)に続いて、11月23日には後期の研究会(福岡市)が予定されるなど、労働法を含むモンゴル現代法の検討が進められている。

過去の関連記事.
メルマガNo.273(http://www.jilaf.or.jp/mbn/2014/273.html


i 「名古屋大学法政国際教育研究センター」HP http://cale.law.nagoya-u.ac.jp/

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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