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No.272(2014/10/16)
ベトナム国家賃金審議会、2015年最低賃金引き上げを政府に提案へ

 ベトナムでは市場経済化の中で、賃金改革策や最低賃金制度を研究し、政府に提案していくため、国家賃金審議会が2013年8月6日に設立された。同審議会は政労使の代表15人のメンバーからなり、会長は労働・傷病兵・社会省(MOLISA)のファム・ミン・フアン次官が務め、委員会はMOLISAやベトナム労働総同盟(VGCL)、ベトナム商工会議所(VCCI)、ベトナム協同組合連合(VCA)、中小企業協会、ベトナム縫製協会(VITAS)、ベトナム皮革・履物協会(LEFASO)の代表者により構成される。
 国家賃金審議会は8月6日、2015年の最低賃金の調整案を決定した。それによると、2015年の最低賃金は現行の最低賃金に比べ、平均+15.1%増となっている。国家賃金審議会は今後、同案を政府に提出し、9月には政府が決定する。しかし、ベトナムの成長は世界銀行の予測では0.4%と低迷し、物価は政府予測では5%の上昇と経済の舵取りは厳しく、来年の最低賃金決定に政府は慎重だ。

【2015年の地域別最低賃金案】
第1種ハノイ、ホーチーミン市内:270万ドン(約1万3500円) → 310万ドン(約1万5500円) +14.8%増
第2種ハノイ、ホーチーミン周辺:240万ドン(約1万2000円) → 275万ドン(約1万3750円) +14.6%増
第3種地方都市:210万ドン(約1万500円) → 242万ドン(約1万2100円) +15.2%増
第4種その他僻地:190万ドン(約9500円) → 220万ドン(約1万1000円) +15.8%増

 これまでの経過を見てみると、国家賃金審議会は7月31日、2015年の最低賃金について、VCCI、MOLISA、ベトナム労働総同盟(VGCL)の代表が会合し、調整した。同会合では、使用者代表のVCCIは、「2015年の最低賃金を2014年から現状維持の300万ドン(約1万5000円)程度が望ましい。最低賃金を引き上げるとしても10~12%程度が企業の負担能力」と主張。MOLISAの代表者は、微増の305万ドン(約1万5250円)という案を提出した。
 これに対し、労働側代表のVGCLは、2014年上半期、VGCL傘下の労働組合研究所が、全国12の市と省における企業60社の労働者1500人を対象に実施した調査によると、諸手当や残業代などを含む平均賃金は、1カ月370万ドン(約1万8500円)程度であるのに対して、毎月の平均生活費は、410万ドン(約2万500円)に上ると主張。現在の最低賃金は、労働者の最低限の生活を保障するのに十分な金額ではないとして、2014年の水準を23%引き上げ340万ドン(約1万7000円)とすることを主張した。

*1ドン=0.0050円(2014年10月14日現在)

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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