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No.270(2014/10/9)
カナダBC 州の教員スト、支援の輪広がる

 バンクーバー市が所在し、カナダ国内で最も優秀な教育を行なっていると評価されている、ブリティシュ・コロンビア(BC)州の公立学校で、賃上げと学級定員の削減による小クラス制実現などを要求して、BC教員組合(BCTF)が4月から時限ストを繰り返し、8月からは組合員4万人による本格的なストが始まっている。
 カナダでは、12歳以下の子供は家で一人にしておくと法律違反になるため、親が子供の面倒を見ることができない場合は、ベビーシッターを雇ったり、デイケアセンターに入れたりしなければならず、保護者にも大きな影響がでている。
 9月からの新学期が始まった日には、ストライキ継続か否かの組合員投票が行なわれ、学級定員削減と強制仲裁裁定に政府が同意するという条件で99.4%がスト中止に賛成した。
 しかし自由党政府は、強制裁定結果によっては予算の赤字化が避けられないとの懸念から、これに同意せず、職場復帰命令の発動も考慮に入れながら、交渉の継続を試みている。
 BC教員の給与は、国内ほとんどの都市の教員給与に比べ低い時給に抑えられ、隣のアルバータ州エドモントン市の平均時給より12ドル(約1305円)以上も低くなっている。過去10年間では、他の公務員に比べて2%低くなっており、低下分の回復も要求にあるが、政府は公務員全体について今後5年間に5.5%の賃上げを予算化した中で、これから続く他の公務員労働組合との交渉を視野に、直ちには教員労働組合の要求に応じようとしない。
 こうした中で教員達は、4週間無給の生活を続けながらパート・タイムなどで食いつないでいる人たちが多く、支援の輪がBC州の労働組合全体に広がった。
 BCTFの保持していた600万ドル(約6億5250万円)のストライキ基金は、当初の時限スト3日間で底をつき、オンタリオ州教員労働組合からの支援金200万ドル(約2億1750万円)も1日で消えた。その中で今、BC州労働組合連合会(BCFL)が800万ドル(約8億7000万円)の貸付金を用意し、同じ公務員の看護師労働組合は50万ドル(約5438万円)を贈与、電力労働組合も10万ドル(約1088万円)のローンを検討するなど、支援の輪が広がった。
  こうした状況を受け、9月第3週にBCTFと州政府間での話し合いが行なわれ、6年間で7.25%の賃上げという内容で、ストライキの継続の可否を問う組合員投票が行なわれ、ストの終結が決まった。
 ちなみに州政府が教員側に提案した内容は、給与面では昨今のインフレ率とあわせると実質「賃下げ」とも取れる内容であり、多くの教員達はこの内容を不服としたが、以前に比べて公立学校への補助は大幅に増え、今までパンク寸前だったクラスサイズが改善され、サポートが必要な子供達にはその子達に合ったヘルプ人員を新たに雇用する事ができるなどの成果を得て、今回の3カ月間のストライキは決して無駄ではなかったという結果となった。

*1ドル=108.75円(2014年10月2日現在)

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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