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No.263(2014/8/28)
南アフリカ金属労働組合のスト終結

 南アフリカでは、アパルトヘイト廃止後に就業機会が平等に開放されたにもかかわらず、24%を超える高い失業率と、約6%の高いインフレ率が続き、労働者の不満が高まっている。
 こうしたなかで行なわれた、南アフリカ金属労働組合(NUMSA)の一カ月にわたるストライキは7月末に終結したが、多くの課題を残した。
 賃金引き上げの当初の要求15%に対して、金属、エンジニアリング産業中央交渉団での妥結した内容は賃金グレードの高さにより、次のように3年間にわたる賃金引き上げ率となる。
 今年は賃金グレードの低い層が10%で高い層は8%、2年目は同様に10%から7.5%、3年目は10%から7%。NUMSAの組合員は大部分賃金グレードが低いので、3年間毎年10%の賃上げとなる。
 NUMSAの要求である契約労働者を斡旋するブローカー排除について、経営側団体である南アフリカ鉄鋼・エンジニアリング産業連盟(SEIFSA)は、一貫して組合と政府との問題の交渉事項とすることに反対してきた。最終的にはブローカーを認めるが、あっせん労働者の労働条件は他の労働者と同一の労働条件とし、監視員を置きチェックをすることになった。
 1カ月という長期のストライキの中で、課題もいくつか浮き彫りになった。
 NUMSAのスト指導は比較的統制のとれたものであったが、公共物の破壊や窃盗などで逮捕者も出た。また、中央交渉の結果が金属、エンジニア産業全体に効力を及ぼすことについても、中小企業経営者だけでなく学者からも疑義が提起された。
 SEIFSAは産業内1万500の企業のうち、加盟企業は2000社ほどだが、従業員の数でいえば、産業内30万人のうち20万人を雇用しており、50%以上という法の要件を満たしており、交渉結果は産業内に及ぶと主張する。一方、妥結後もロックアウトを宣言した南アフリカ経営者連盟(NEASA)は、2011年の賃金引き上げ時に、中央交渉の産業内への妥結結果波及は無効と裁判闘争を続けており、いまだ裁定が出てない。NEASAは中小企業の経営団体で、3万7000と加盟企業の数は多いが、雇用者は7万人で、数年前に金属、エンジニア産業へ参入してきた。NEASAは中小企業経営にとって8%以上の賃上げには耐えられないと主張し、裁判闘争を続ける模様だ。NUMSAのアービン・ジム書記長は、妥結金額が払えないなら例外申請を労働省に出すことも可能で、交渉結果をほかの労働組合も受け入れると決めており、中央交渉の結果を尊重すべきと語っている。

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