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No.243(2014/5/30)
カンボジア、最低賃金闘争の後遺症続く

 メールマガジンNo226で報じた最低賃金引き上げをめぐって結集した、カンボジアの縫製労働者のストライキは、治安部隊による暴力的鎮圧により死者4人、負傷者39人の悲劇的な結果となった。同時に23人の労働者が投獄され、国際的な非難を浴び、その後2人の労働者が釈放されたが、依然として21人が拘禁されていて、労働者によるハンガーストライキ等の抵抗が続いている。
 事態を重視したカンボジア政府は2月に、キート副首相がITUCやインダストリオールなど国際労働組合組織と、カンボジア繊維産業の発注者である国際的ブランド、H&M、インディテックス、ギャップ、C&A、プーマなど各社を招集し、建設的な対話でカンボジア繊維産業の安定化を促した。同産業は輸出の88%を占め、その額は年間45億ドル(約4589億円)となっている。
 しかし、その後も労働基本権の侵害が続き、労使の対立は激しさを増している。このため5月26日、第2回目のグローバルユニオン、ブランド各社とカンボジア政府高官によるハイレベル会議が開催されている。
 インダストリオール・ユリキ書記長は「2月の会議で政府が約束したにもかかわらず、法を無視した前例のない脅迫や暴力で、労働組合や労働権への圧迫が続いている。労働組合やブランド各社からの政府へのメッセージは明確で、政治の安定、人権、労働権の尊重を求める」と語った。
 この数ヶ月、スト中の労働者は軍により強制的に職場に戻され、中には解雇された労働者もいるし、繊維会社が労働組合指導者に損害賠償訴訟を起こしているケースもある。労働組合とブランド各社は、依然として拘置されている 21人の労働者と、最低賃金決定方法の整備が進まないことに関心を寄せている。これまでのところ、1月の治安部隊による弾圧で死者が出たが、調査する独立の調査委員会が設置されておらず、遺族に対するいかなるかたちの補償もされてない。カンボジアはITUCの労働組合権侵害に関する指数で、最悪のスコアになっており、法に定める規則が完全に破られている。政労使の話し合いによって、事態が改善に向かうことが期待される。

*1ドル=101.97円(2014年5月27日現在)

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メルマガNo.226(http://www.jilaf.or.jp/mbn/2014/226.html
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