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No.231(2014/3/5)
インドネシア労働組合総連合(KSPI)が最低賃金などの改善を求め集会を開催

 経済成長を続けるインドネシアの2013年実質GDP成長率は5.78%となり、4年ぶりに6%割れとなったが、それでも依然堅調な成長を遂げていることに変わりはなく、政府は現在世界16位であるGDPを、2025年までに10位まで引き上げることを目指している。その一方でジニ係数は2011年の0.39から2012年には0.41となり、格差の拡大が社会的問題となっている。
 2014年のジャカルタ地区最低賃金は、220万ルピア(約1万9140円)から11%引き上げ244万ルピア(約2万1228円)にすることが、ジョコ・ウィドドジャカルタ首都特別州知事により裁定された。これは労働側の要求68%増370万ルピア(約3万2190円)に比較して、はるかに低いと労働側は強く反発し、昨年末は市庁舎前で集会を連日開催したが、今年は政府に押し切られた。
 インドネシア金属産業労働組合連盟(FSPMI)とインドネシア労働組合総連合(KSPI)のサイード・イクバル会長は、加盟しているインダストリオールのユリキ書記長を招き、2月14日、記者会見を行なった。会見の席上「最低賃金は生活賃金のレベルまで引き上げられるべきだ。また全ての労働者をカバーする社会保障の実現を11日、インドネシア労働・移住省との会議で政府に強く要求した。」と表明した。昨年のジャカルタ地区では、生活必需品84品目で270万ルピア(約2万3490円)をカバーする最低賃金引き上げを行なうべきであると労働組合は主張した。さらにイクバル会長は「福祉国家を目指すのであれば適切な最低賃金が必要で、もう待つことはできない」とし、2015年の最低賃金を30%増要求とすることを表明した。ユリキ書記長は「グローバルユニオンはインドネシアの労働組合の生活賃金を確保するための最低賃金闘争や社会保障改革への取り組み、アウトソーシング労働に対する規制強化への取り組みを支持する」と表明した。
 この記者会見に先だち、KSPIは3万人の集会とデモをジャカルタで開催し、最低賃金の大幅改善と、今年1月から実施されたにもかかわらず、いまだ1千万の国民が未加入になっている国民皆健康保険制度の実効性が確保できるよう要求した。
 国民健康保険制度の未加入問題があるなかで、新たに始まる国民年金制度につても波乱含みとなっている。また、2015年7月から発足する国民年金制度にも期待が高まっているが、経営側は制度内容を後退させようとしており、全ての人々に豊かさをもたらすことを要求する労働側との対立が、今後深まりそうだ。

*1ルピア=0.0087円(2014年2月18日現在)

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