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No.228(2014/2/12)
米国2013年の労働組合組織率 前年と同じ11.3%

 アメリカにおける労働組合の組織率は、2012年に11.3%という過去100年で最低を記録したが、このほど労働省が発表した2013年の労働組合組織率は、11.3%で2012年と同じに推移し、組合員総数は1450万人であった。労働運動を取り巻く環境が厳しさを増している中で、労働組合組織率を前年並みに維持したことは、労働組合およびその活動家の努力の結果であると考えられる。
 組織率11.3%の内訳は、公務員35.3%だが民間は6.7%、男性の11.9%に対して女性は10.5%であった。
 高い組織率を保ってきた公務員労働者を取り巻く各州の労働法制は厳しさを増しており、2011年から12年にかけて15の州で公務員の団体交渉権を制限する法律、ないし労働協約の適用を受ける者であっても非組合員からは組合費徴収が制限される法律が制定された。
 また、州レベルでは労働人口が増えた中で、過去10年間に43の州で組合員数が減少した。組織率も41の州で減少したが、最も大きかったのがミシガン州の-5.6pp(パーセンテージ・ポイント)、組織率が上昇した五州のうち最高はアラバマ州の2.6ppであった。そして、昨年の組織率で最高はニューヨーク州の24.4%、最低はノース・カロライナ州の3%である。
 さらに、2012年には19の州で「労働の権利法」が施行されて、労働組合加入と組合費納入が個人の自由意志となったが、2013年にはミシガン州とインディアナ州が加わって24の州が労働の権利法採用となり、その他にも21の州でも権利法審議の動きが起きた。このように、アメリカでは労働運動の弱体化を狙ったと思える動きが広がりつつある。
 こうした厳しい状況に対し、アメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)は非組合員、環境団体、移民団体、地域コミュニティなどとの協力・連携活動を提案し、それまで労働組合が関わることのなかった様々な団体との連携を模索している。

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オバマ大統領が契約職員の最低賃金を10.10ドルに引き上げ

 最低賃金が先進国中最下位の米国で、オバマ大統領は大統領令を持って連邦政府の契約職員の連邦最低賃金7.25ドル(約736円)を10.10ドル(約1025円)に引き上げると言明し、議会が審議中の2009年から変更されていない連邦最低賃金法を承認するよう強く求めている。
 米国では昨年オバマ大統領が、一般教書演説で貧困解消のために連邦最低賃金の引き上げを提案して以来、「最低賃金アップ」が企業の採用減を招くのか、経済を押し上げるのかをめぐり、シンクタンクや経済学者が論戦を繰り広げている。
 ノーベル経済学賞受賞者であるジョセフ・スティグリッツをはじめ、ローラ・タイソン、ロバート・ライシュら著名な経済学者が協同して、2012年に米国議会へ2014年度までに現行の時給7.25ドル(約736円)から9.80ドル(約994円)への最低賃金引き上げを求める手紙を送っている。
 また、州の最低賃金が連邦最低賃金よりも高い場合には、州の最低賃金が適用されるため、大多数の州で民主党が最低賃金引き上げの準備を進めており、共和党優勢の一部の州でも同様の動きがみられる。
 そのなかで主なものは:
 ワシントン州:現在も全米最高だが、それを3年以内に12.00ドル(約1218円)へ
 マサチューセッツ州:上院が3年以内に現行8.00ドル(約812円)を11.00ドル(約1116円)へ引上げを承認、下院は未審議
 イリノイ州:知事が現行8.25ドル(約837円)を最低10.00ドル(約1015円)へ引き上げを表明
 メアリーランド州:知事が2016年までに10.10ドル(約1025円)への引き上げに賛成
 その他:フロリダ、アイオワ、ケンタッキー、サウス・カロライナ州などが10.00ドル(約1015円)以上に引き上げることが検討されている
 なお最低賃金引き上げの動きはカナダにも広がり、オンタリオ州が4年ぶりに現行最低賃金10.25ドル(約1040円)を11.00ドル(約1116円)へ引き上げ、物価調整も導入する。2012年にはブリティッシュ・コロンビア州が10年ぶりに最低賃金をオンタリオ並みの10.25ドル(約1040円)に引き上げ、ケベック州も近年10.15ドル(約1030円)に引き上げている。

*1ドル=101.47円(2014年2月5日現在)

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