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No.217(2013/12/5)
コロンビア内戦に和平への進展

 1980年代から2800人以上の労働組合幹部が殺害されたコロンビアで、反乱軍と政府によって、昨年10月から行われてきた和平交渉の進展が見られた。
 コロンビアでは反乱軍による身代金目的の労組幹部の誘拐と殺害、それに労働組合を反社会的と認識する右翼民兵組織により、多数の労組幹部が殺害され、ILOからは労働組合にとって世界最悪の国として指定されている。
 最大の反乱軍であるコロンビア革命軍(FARC)は、1964年に農地改革を要求する農民運動として発足し、麻薬や誘拐を資金源に一時2万人以上の勢力となった。政府軍との戦いで今までに20万人以上の人の生命が犠牲にされた。
 それが近年和平への機運が高まり、1年前からキューバにおいて和平交渉が行われてきたが、今回基本的な部分で合意が生まれたと伝えられる。その1つはFARCの政治への参加で民主的な改革を目指すことになる。
 この点についてFARCの指導者イワン・マルケス氏は「政治的参加が出来ることに大変満足だ。内戦終結と民主化に向けて重要な一歩を踏み出した」と述べている。
 他方、サントス大統領には反乱軍に譲歩しすぎるとして、野党からの批判が強い。特にキューバでFARC指導者たちが葉巻をくゆらせながらボートでくつろぐ写真が公開された反面、国内では依然として爆薬などによる殺害行為が続いていることへの強い反感があり、政府が譲歩を繰り返すたびに反乱軍が強大化した苦い思いがある。1999年に前任のパストラーナ大統領がスイスほどの広大な土地を安全地帯として提供したときに、彼らはそこを兵隊の訓練地や薬物の輸送基地、そして誘拐した人たちの収容所建設に使ってきた。
 過去の世論調査では、コロンビア国民の大半が和平交渉を支持している。しかし犯罪行為に関与したFARC幹部らの刑事訴追を断念したり、政治活動を認めたりするゲリラ寄りの和平案には過半数が反対している。

アメリカで数千人の大学助教授が労働組合に加入

 わが国では今年4月に改定された労働契約法の運用をめぐり、高校や大学の非常勤講師が、学校側から3年後若しくは5年後の雇い止めを告げられるなどの問題点が指摘されている。また、大学の非常勤教員の割合が50%を超えていることが2011年の文部省調査で明らかになり、教育現場における雇用格差が問題となっている。
 アメリカでは1970年代には教授陣の70%が終身雇用の正規教授で占められていたが、補助的な意味で行われていた助教授が現在では50%を占めるようになった。しかし、助教授は1クラス数千ドルの給与しか受け取れず、雇用の保証もなく、数千人の非常勤の大学助教授が低い給与と雇用の不安を訴えて、労働組合に加入している。
 顕著な大学はワシントンDCのジョージタウン大学、ボストン近郊のタフト大学などであり、昨年には近くのアメリカン大学の助教授も労働組合に加入した。加入労働組合はいずれも国際サービス従業員労働組合((SEIU=210万人)であり、助教授の労働組合メンバーは10大学で1万8000人を数え、5年前の1万4000人から4000人増えた。ロサンゼルス、シアトル、ボストンの大学でも労働組合結成の機運にある。
 DCのジョージ・ワシントン大学では、正規教授の年収が平均15万6000ドル(約1560万円)だが、25年の経験と豊富な知識をもつある助教授の場合、年収は3クラスを教えて2万3000ドル(約230万円)である。それでも労働組合に加入して労働協約の適用を受けたおかげで、年収が20%あがったという。
 別の労働組合、アメリカ教員連盟(AFT)では2000年以降、大学レベルで5万人の組合員を獲得しているが、その大半は非常勤の助教授や大学院の助手、フルタイムだが終身雇用でない教職者である。

*1ドル=100.01円(2013年11月20日現在)

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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