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No.213(2013/11/22)
米国自動車産業をしのぐ勢いのメキシコ自動車産業

 米国自動車産業は弱い労働組合と安い労務コストを求めて、1980年代に米国南部に進出したが、その後さらに南進してメキシコに生産を移してきた。この点について米国有数のシンク・タンク、ブルッキングス研究所が報告書を発表した。
 報告書は1994年の北米自由貿易協定(NAFTA)締結以降、GMほか日産、クライスラー、マツダ、アウディなどがメキシコに進出した状況を記述し、生産の面では2012年の米国自動車生産が1080万台であったのに対しメキシコが300万台を生産するに至った事、そして雇用の面では2000年以降に北米大陸の雇用がオートメーションもあって、200万人から150万人に減少した反面、メキシコは55万4000人から57万9000人に増加して、北米雇用の40%を占めた事を述べ、今後10年間については米国の雇用が50%を切るとしている。
 かつては、安価な労務費や弱い労働規則、州による誘致刺激策によりテネシー州やケンタッキー、アラバマ州に進出したトヨタやBMW、現代などの各メーカーがあり、またテネシー州経済に大変革をもたらした30年前の日産の進出などもあったが、先述の傾向は南部諸州の立場も危なくなった事を示唆するという。報告書は、テネシー州の自動車関連雇用の46%が、計14カ国の海外企業に支えられていることも指摘している。
 南部の中西部に対するコスト優位性も縮まりつつあり、労務費にしてもメキシコに対抗できる州がなくなった現在、南部諸州は他の対抗手段を模索しなければならなくなった。
 全体傾向としては、北米自動車産業の雇用はオートメーションとロボットの大量使用により減少を続けること、メキシコが優位性を急速に確立してゆく傾向に変わりはないと記述している。

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