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No.210(2013/11/15)
教員労働組合のメキシコ・シティー座り込み終結

 昨年末に就任したメキシコのペニャニエト大統領は大きな政策のひとつとして、教員の業績評価や教員採用の権限を労働組合から政府に移管する教育改革を推し進めている。改革について、メキシコにおける主要労働組合である全国教員労働組合(SNTE)は賛成だが、これに対抗する全国教員労組総連合会(CNTE)は反対している。
 そのCNTEの中でも特に強硬に反対運動を展開しているのがオアハカ州の教員組合であり、そこの組合員数千人がメキシコ・シティーの議会前や空港などで5ヶ月間に亘り座り込みや、国際空港へ続く道路の封鎖を行なった。ソカロ広場においては、デモ隊が機動隊と衝突し、少なくとも29人が負傷した。こうした行動は警官隊に解除され、議会による改革案承認もあって、教員たちは10月6日に帰郷した。また座り込みに併行して行われた同州における7万人教員のストライキも終了したが、他の州におけるストライキは6週間前に終了している。しかし、オアハカ州の抵抗がこれで終わるということではない。
 メキシコ南部に位置するオアハカ州は一人当たり国民所得が全国平均の4分の1という極貧地域であり、多くの州民が2500人以下の町村に住んでいる。ここで教える教員の多くは1日かけた旅をして、3日間児童に教えて帰宅するという1週間を送る。話す方言も20以上に及ぶ異なった世界であり、異なったルールがある。
 先月、議会が最終的に教育改革案を承認したとき、オアハカの教員労働組合委員長は地域の特殊事情を指摘しながら「議会がどう決めようと、現地では実践されない」と語った。
 メキシコでは2006年に小学校、中学校の生徒対象に全国標準テストが実施されたが、オアハカ州だけは教員労働組合がそれを拒否した。今回の教育改革では、教員対象の業績評価が実施されるが、それを拒否する教員を解雇できるか、代わりの教員が見つかるのか、教員労働組合の反対は首都では失敗に終わったが、現地での反対はこれからも続く。

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ブラジル石油労働者が油田売却に反対してゼネスト

 世界第7位の生産能力を持つブラジルの国有石油会社、4万人のペトロブラス労働者が、来週の同社オフショア油田のオークションについて、外国企業の参入に反対し国益を守るとする無期限ストライキに入った。
 この油田はリオデジャネイロ沖のリブラ油田で、政府は外国企業との提携を目指しており、オークションに参加している11社のうち10社が中国、フランスおよびダッチ・シェルなどの外国企業といわれる。ブラジルは過去数年間に特に南東の海域で数十億バレルの油田を発見している。
 石油労働者統一連盟(FUP)コーディネーターのジョアン・アントニオ・デ・モラエス氏は「ペトロブラスが発見した、原油埋蔵量が120億バレルから150億バレルに達するリブラ鉱区の資産は1兆5000億ドルに達し、これを石油メジャーに売り渡すことは許されない」とデモ突入の説明をしている。ペトロブラスでは、労働組合が11.6%の賃上げ要求を掲げているが、会社回答は7.7%であり、こうしたことも無期限ストライキ突入の一因とみられている。
 ブラジルでは物価の高騰、公共サービスの欠如、汚職の頻発などに国民の怒りが高まり、デモが頻発しているが、来年再選を迎えるルーセフ大統領政権は、70億円といわれるリブラ油田提携資金によって、教育や医療の改善、雇用の創出、経済成長につなげるとしている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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