バックナンバー

No.205(2013/10/29)
派遣労働者:賃金、均等・均衡処遇の面で不満、安定的な働き方を望む

 2012年派遣労働者の実態調査の結果が、2013年9月、厚労省より公表され派遣労働者の実態が明らかになった。
 派遣労働者の賃金は、平均で1351円(時間給)となっている。賃金の分布をみると「1000円~1250 円未満」が29.9%と最も多く、次いで「1250 円~1500 円未満」と「1000 円未満」がそれぞれ20.2%となっている。男女別では、男性が1495 円、女性が1236 円となっている。男女別の分布をみると、時間給の高いところに男性の割合が高くなっている。
 派遣労働者の時間給は、平均で1351円となっている。これをパートタイマー(短時間労働者)や主として正社員である一般労働者の平均賃金と比較(一時金=ボーナス=を考慮しない月例賃金のみ)してその差をみてみる。この比較は、年齢、勤続、仕事の内容等を考慮しない単純な比較であるが、派遣労働者の賃金は、パートタイマーと一般労働者の中間の位置にあることがわかる。2012年の賃金構造基本統計調査(厚生労働省)から、一般労働者の時間当たりの平均所定内賃金(全産業)は1804円、同調査による全産業のパートタイマーの平均時間給は1026円となっている。
 派遣労働者に賃金に対する評価を聞いてみると、「満足していない」35.1%、「満足している」34.9%、「どちらとも言えない」27.2%となっている。満足していないと回答した派遣労働者にその理由を聞くと、「派遣先で同一の業務を行う直接雇用されている労働者よりも賃金が低いから」との答えが29.9%と最も多いことから、均等・均衡処遇になっていないとみていることがわかる。また、「業務量に見合った賃金でないから(23.9%)」「自分の能力や職務内容に見合った賃金ではない(19.5%)」との答えも比較的多く、仕事量や能力が正当に評価されていないとみている者も多い。
 派遣労働者の今後の働き方に対する希望は、「派遣労働者として働きたい」43.1%、「派遣社員ではなく正社員として働きたい」43.2%と拮抗している。「派遣労働者として働きたい」労働者のうち、「常用雇用型の派遣労働者として働きたい」は80.4%、「登録型(※)の派遣労働者として働きたい」は19.6%となっている。なかでも、男性は高く、「常用雇用型の派遣」を希望する者が90.8%に達する。このように、派遣労働者としての働き方を選んだ人も不安定な登録型ではなく、常用雇用型という安定した雇用形態を望んでいることがわかる。正社員としての雇用形態を望んでいる人と合わせると4分の3以上が安定的な働き方を希望しているということがわかる。

 ※労働者は派遣元(派遣会社)への登録を行っておき、労働契約は派遣先への就労が決まったときに初めて結ばれる。派遣元との雇用契約期間は、派遣先に派遣されている期間となる。この雇用契約期間中だけ、賃金、雇用が保障される。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
Copyright(C) JILAF All Rights Reserved.